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「健康のため」のはずが歩行困難に…ランニングでのケガを防ぐ「たった1分」の予防法【専門医が解説】

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軟骨がすり減ると、関節のすき間が狭くなり内側の骨が剥き出しの状態になります。すると、骨のへりにトゲ状の突起物ができたり、骨が変形したりして、歩き出そうとすると膝がこわばったり、違和感を覚えたりします。

初期では膝のこわばりや重だるさを感じる程度ですが、進行すると安静時でも膝の痛みが続き、階段の昇降が困難になります。さらに悪化すると、歩いたり、座ったり、しゃがんだりするのも難しくなり、日常生活に支障をきたすようになります。

2.ジャンパー膝

ランニングのほか、バレーボールやバスケットボールなどジャンプを長時間繰り返すことで起こることから呼ばれている「ジャンパー膝」。正式には「膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)」といいます。

これは膝蓋骨と脛骨を繋いでいる膝蓋靭帯に、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作で負荷がかかることによって炎症が起きるものです。軽症のうちはあまり支障はありませんが、進行するとスポーツをしているときだけでなく平時でも痛みが続き、膝蓋靭帯の部分もしくは完全断裂を引き起こすこともあります。

3.鵞足炎(がそくえん)

鵞足とは、太ももの内側から膝内側にかけて伸びている3つの筋肉の総称のこと。膝の曲げ伸ばしを繰り返し行うことでこの部分に炎症が起き、痛みが生じます。

「ランナー膝」と他疾患を見分けるポイント

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ランナー膝と間違いやすい疾患や障害のうち、特に注意したいのが「変形性膝関節症」です。変形性膝関節症の場合は、放置すると少しずつ症状が進行し、最悪の場合は歩行できなくなるというリスクもあります。そのため、まずはいま、生じている膝の痛みが本当にランナー膝かどうか正しく見極めることが大切です。

1.どんなときに痛みが出るのか

まずはどんなときに痛みが出るのかを確認しましょう。「走っているとき」や「走ったあと」に痛みが出るならランナー膝の可能性が高いです。しかし、変形性膝関節症やジャンパー膝でも、走っているときなどに痛みが出ることもあるので、これだけで判断することは困難といえます。

2.どこに痛みが出るのか

ランナー膝の場合、痛くなるのは「膝の外側」です。もし、「膝のお皿のすぐ下あたり」が痛む場合はジャンパー膝の疑いがあります。

また、「膝の内側」にズキズキとした痛みを感じる場合には鵞足炎の疑いがあります。変形性膝関節症の場合には、「膝全体」に痛みが現れたり、こわばりが生じたりします。

しかし、痛みのある場所を正確に判断することは困難ですし、複数の箇所が同時に痛むということもあります。変形性膝関節症の場合には、放置すると症状がどんどん進行してしまい、歩行が困難になることもありますので、そうした重症化を防ぐためには医師の診察を受けるのが一番です。

痛みが出たらそのまま様子をみたり放置したりせず、早めに整形外科を受診することをおすすめします。

ランナー膝を防ぐ!毎日たった1分間の「スクワット」

ランナー膝を予防するために大切なことは、下肢の筋力をつけることです。脚の筋肉がしっかり鍛えられていれば、膝を安定して支えられるようになり、膝の負担を減らすことができます。

膝の負担を減らすという観点からいえば、鍛えるべきは「大腿四頭筋」「ハムストリングス」などの大きな筋肉です。そのために最も効果的なのは、なんといってもスクワット。スクワットの素晴らしいところは、足の距離や角度を少し変えるだけで、効かせる筋肉を変えられるということです。

ここではランナー膝だけでなく、変形性膝関節症などの予防にも役立ち、若々しい膝関節を保つためのスクワットを3パターン紹介します。

1.脚の筋肉をバランスよく鍛える「定番のスクワット」

[図表2]定番のスクワット
(1)両足を肩幅くらいに広げ、つま先を前に向ける。
(2)両腕を胸の前でクロスする。
(3)背中をまっすぐにしたまま胸を張り、膝の高さまでゆっくりと重心を下げる。(4)ゆっくりともとの位置に戻る。

これを10〜15回繰り返す。

このスクワットは、大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋をバランスよく鍛えることができる定番のパターンです。膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。

2.臀筋と内転筋に効く「ワイドスタンスのスクワット」

[図表3]ワイドスタンスのスクワット
(1)足の幅を肩幅よりも広めにして立ち、両腕を胸の前でクロスする。
(2)つま先はやや外側に向ける。
(3)太ももが床と並行になるまでゆっくり体を沈め、再びゆっくりともとの位置に戻る。

これを10〜15回繰り返す。

このスクワットは、臀筋や内転筋に効果があります。臀筋は走ったりジャンプをしたりするときに働く重要な筋肉で、内転筋は広い範囲で脚をサポートする役割を持っています。これらの筋肉を鍛えることは、膝痛の予防につながります。

3.下半身に高い負荷を与える「ブルガリアンスクワット」

[図表4]ブルガリアンスクワット
(1)イスの前に立ち、片足のつま先か甲をイスに乗せる。
(2)前に出ている足をゆっくりと折り曲げ、膝が90度程度のところでキープする。(3)曲げた膝をゆっくり伸ばしてもとの状態に戻る。

これを10〜15回繰り返し、反対の脚も同様に行う。

ブルガリアンスクワットのいいところは、足幅を変えることで効かせる部位を調整できるということです。足幅を広くすればハムストリングスや臀筋に、狭くすれば大腿四頭筋に効かせることができます。いろいろな足幅で試してみて、苦手な足幅で重点的に行ってみてください。

「ランナー膝」かもと思ったら…簡単な「対処法」

走っているときや走ったあとなどに膝の痛みが生じたら、まず安静を保つことです。それからアイシングをして、患部の炎症を抑えましょう。さらに、膝に負担をかける下り坂は避ける、芝生や土などの柔らかい地面を走る、走行距離を短くする、などランニング自体を見直す対策を取ることも大切です。

なにより大事なのは、早めに整形外科を受診すること。「ランナー膝は珍しい症状ではないから」といって放置すると痛みが慢性化し、その他の部位に痛みが生じたり、歩行が困難になったりすることもあります。

いったん痛みが治まっても、根本の原因がなくならなければ症状は繰り返されます。医師の指示をあおぎながらストレッチや筋力訓練を行い、筋力アップや柔軟性の向上をめざすことも大切です。

※筋力訓練を行う際の注意点
無理な運動はケガの原因になります。痛みや違和感がある場合はすぐに中止しましょう。

世田谷人工関節・脊椎クリニック

塗山 正宏

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