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【小説】喧嘩別れした友人「実は去年夫が亡くなったの」の事情

幻冬舎ゴールドライフオンライン

「私だってそうだよ。携帯電話もつながらないし、引越し先も知らせてくれなかったから連絡の取りようもなかったんだもの。もともと誤解だったんだから、もう一度会いたいとずっと思っていたわ。でも変ね。光彦さんはあかねに会ったことなんて一言も言っていなかった」

「あら、そう? きっと変な誤解を与えたくなかったからじゃないの」

「そうなのかな? それで、今は何をしているの?」

「今は一人で悠々自適の生活よ。あっちゃんはどうなの? お子さんはまだって聞いたけど。光彦とはうまくいっているんでしょ?」

「結婚して3年にもなれば新婚時代とは違うよ。それなりにいろいろとあるわ」

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「そうなんだ。もう3年も経ったのね。困ったことがあったらいつでも言って、相談に乗るから。あっ、そろそろ行かなくちゃいけない。今日はあたしがおごるから。じゃあね」

あかねはグラスに半分残っていたレモンスカッシュを、ストローで一気に飲み干すと、レシートを持って急ぎ足で出口に向かった。昔とまったく変わらないあかねの性格に苦笑いしながら、淳美はバッグを手に立ち上がった。この再会をきっかけに、二人が元の関係に戻るのにそれほど時間はかからなかった。

その日も、あかねが淳美の家に着いたときには正午を30分回っていた。

「ごめん、所用ができちゃって家を出るのが遅れちゃった」

「いいよ。さあ、早く上がって。お昼ご飯が冷めちゃうといけないから」

淳美はミートソーススパゲティとサラダ、オニオンスープを用意していた。あかねはミートソースにビン半分の量のタバスコをかけた。

それを見て淳美が言った。

「あいかわらずね。実は足りるかどうか、ちょっと心配だったの」

食事を終え、淳美は自分にはコーヒーを、あかねにはレモンティーを入れた。

「レモンをもう一、二枚入れてくれないかしら。酸味が足りないみたい。辛いとか酸っぱいとか、あたし、そういう刺激がたまらなく好きなの。いつも刺激を求めていたいのかもね。で、相談って何?」

淳美はスライスしたレモンの皿をあかねに手渡し、向かいの椅子に腰かけた。

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