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「自分の地図を作れ」救急車機関員がカーナビを信じない理由

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、中澤真弓氏の書籍『東京スターオブライフ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

【前回の記事を読む】「あたし、見ちゃった…」事務員が目撃したスキャンダルとは?

スキャンダルの真相

「この時間、原宿や新宿の駅前を通るリスクを全く考えていないな」

救命救急センターに到着し、傷病者を医師に引き継いだあと、いつもは温厚な菅平が水上を叱っていた。現場から救命センターまで、十分足らずで到着する予定が、原宿駅前で仮装イベントが開かれていたため、二十分以上もかかってしまったのだ。いくら、サイレンを鳴らして赤色灯をつけて走る緊急走行とはいえ、大群衆の前では、慎重に進まざるを得ない。

「日曜日の昼間、この地域ではこっちのルートは選ばないほうがいい。……カーナビは、信用するな。ラクをしないで、自分の地図をしっかりと作れ」

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「申し訳ありませんでした」

「……それと、今朝、消防係のカウンターに寄ったか」

「いいえ」

「『支障ある行為』の届け出は、毎日必ずチェックしておけよ」

火災予防条例に基づき、道路工事やイベントの開催などで消防車や救急車の通行に支障が出る可能性がある場合は、消防署に届け出る必要がある。管轄区域の道路状況を逐一把握しておくのは、機関員の任務だ。

結局、搬送した傷病者は骨盤骨折の重傷外傷で、観察や判断、処置の内容には問題がなかったが、緊急性があるにもかかわらず時間を要した活動として、本部から「改善策を行うように」と指導が入ったというわけだ。

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