朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、週末の読書にオススメの本。
忙しい大人を癒してくれるエッセイや詩集を選びました。読み終えたあとはやさしい気分になれる3冊です。週末の読書で心をほぐしてくださいね。
石田千エッセイ集。毎日、心は揺れている。そんなとき、石田千さんはいつも窓の外を眺めている。朝食の支度をするとき、文をつづるとき、編み物をするときも。「いろんな町の窓をながめ、暮らしてきた。くもった窓も、あかない窓ももあった。どの町も、泣いて笑って、おもしろかった」——。
つらいこともあるけれど、悲しみも心細さも飲み込んで、日常のこまごましたことを淡々とこなしていく。食べて飲んであっけらかんと笑う石田さんの姿に何度もぐっときました。そしてまた、いつもどおりに日々の暮らしを続けていくことの喜びも感じるのです。牧野伊三夫さんの挿絵とエッセイが静かに美しく響き合う一冊をどうぞ。
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『窓辺のこと』
著者:石田千
出版社:港の人
作家や詩人、映画監督やイラストレーターら50人が「なつかしい一冊」を選び、本の思い出や読書体験を綴ります。本への愛あふれるブックガイドです。
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが紹介する一冊は、高校の古文の教科書で出会った『方丈記』。作者の鴨長明の「生活をスケールダウンし、山中の庵に移住」するというライフスタイルに、新たな生き方のヒントを見つけます。作家の落合恵子さんが大切にしてきたのは、一冊の絵本『はなのすきなうし』。昨年の巣ごもり期間中にも、少女時代から大好きな子牛と再会し心癒されます。
好きな作家の選んだ本から、心に残るエピソードから、イマジネーションあふれる絵から……。本との出会いへの入り口がいくつも待っている一冊をぜひ。
『わたしのなつかしい一冊』
編:池澤夏樹/絵:寄藤文平
出版社:毎日新聞出版
童謡「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」などで知られる詩人のまど・みちおの詩集です。詩人の谷川俊太郎が選んだ172篇を収録しています。