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【小説】オレオレ詐欺をやめて逆恨みされて母親が殺されたのか

幻冬舎ゴールドライフオンライン

《十年以上前に女作って離婚したなんて言っていいのかしら》

「お子さんは二人共高校はどうしていたんですか?」

「あの、他の家に聞いてもらっていいですか?私は詳しくないので、お向かいの家の方がもっと詳しく教えてくれると思いますよ」

《高校? 二人共制服姿なんて見たことないし、昼間は私服でバイトでもやってたんじゃないかしら?》

「わかりました。ありがとうございました」

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紀香は省吾にエアリーを見せた。そして、二人して同じことを考えた。

――もしかしたら、松岡の子供は、オレオレ詐欺に関与していたかもしれない。

「省吾!」

「そういうことか!」

オレオレ詐欺の受け子などは簡単にはやめられない。その受け子、かけ子をやめる時には家族が傷つけられる。二人姉弟のうち、一人か二人かは知らないが、子供が詐欺に関与していたとして、オレオレをやめて逆恨みされて親が殺されたってわけだ。

しかし、殺された直後にエアリーは「オレオレ詐欺」の文字が出て来なかった。オレオレをやってから何年も経っているから忘れているのか?……というより、子供は親が殺されたというのに悲しそうな顔すらしていなかった。むしろホッとした様子にすら思えた。

オレオレ詐欺、振り込め詐欺の受け子などは、愛のある教育を受けていない子供がなるのだろうか? いや、愛の方向が違っているか、愛はあってもお金がない。生きていくためにそうせざるを得ない状況のケースもあるかもしれない。

予想外の妊娠で面倒な子育て、結局離婚で母子家庭。経済的に成り立たないからと、子供を家や車に置き、パチンコ屋で儲けようとするパチ親。それはまだいい。幼児虐待、躾だからと勘違いして食事を与えない、そして子供のうち一人を殺す親。残された子供は殺人犯の子として生きて行く。よっぽど親なんていない方がいい。

しかし、親の顔を見たことのない子はそんな親の子供でも羨ましいのだろうか? 羨ましいと思う子もいるのかもしれない。愛とお金は当たり前に子供に与えられると思われがちだが、今の時代は愛とお金のある家庭に育つ子供の方が少ないのかもしれない。世界中でも日本中でも。

そんな子供に優しい言葉や美味しい話を持ち掛けたとしたらどうだろう? それはそれは喜んでシッポを振ってついていってしまうのだろう。まるで野良犬のように。

数日後、省吾は冬彦と酒を飲む約束をした。省吾は若宮も誘って三人で飲んだ。そしてエアリーの話題で盛り上がった。

「俺にもエアリーってやつを使わせてもらえないかな?」

「俺のは仕事で使うから無理だよ」

「一日だけでもいいからさ」

「マルチアパートの管理人に頼めよ。三万出せば貸してくれるよ、きっと」

「今度そのアパート、場所教えてくれよ」

「わかった」

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