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「わたしがいけない子だから」元彼との性的関係に苦悩する学生

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、埼玉工業大学心理学科教授・袰岩秀章氏の書籍『毒親の彼方に』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

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元彼との関係

「彼のところに行くと彼は求めてくるんです。いやって言えないでしょ? 他に行くところがないんですから。でもいやって言っても、彼はわたしのことを追い出したりはしません。そういうことはあったし、そういう人なんです。そんな悪い人じゃないんです」

「いけないのはわたしです。彼のこと好きではないし、彼と寝るのも好きでないけど、でも寝てしまうんです。やめられないんです。寝たいのは彼じゃない、本当はわたしです、わたしが抱かれたいの……」

「彼は優しいように見えるけれど、わたしの扱い方はみんな僕がわかっている、という人だから、ちょっと痛いとか苦しいとか待ってとか、とにかくなんか言うと、すごく空気が強張ってしまって、しらける?」

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「ああ、しまったって思うからすぐに、あっ大丈夫、続けて!とか叫んで、してもらわないといけなくなるんです。彼が「あれして」、「ほら、こうして」というのに従っていれば機嫌がいいから、今はもう何も考えず、彼の言うままにするんです。気持ちいいを通り越して、疲れて口がきけなくなるくらいするんです。そうしたら何も考えずに眠れるから。隣に人がいれば安心して眠れるんです」

「そんなつながりでも、わたしはほしいんです。安心するんです。体がくっついていればいい、言われるまま感覚に溺れていればいい、そんなセックスでしか安心できないんじゃないかしら。だって何も考えないでいいじゃないですか……」

「そういう自分が嫌で嫌で仕方なくなるんですけど、やめられないんです。ほんとは家に帰れないんじゃない、抱かれたくて自分はあの部屋に行くんじゃないかしら。彼が求めてくると嫌な気分がしているのに、実は彼が求めてくるからあそこに行くんじゃないかしら。求めてこなかったらがっかりして家に戻るんじゃないかな、あたしってば。ホントは誰でもいいんじゃないかな、あたしってば」

「そう考えると、目の前が真っ白になって、寒気がするようなぞっとする感じがするんです」

「わたしがいけない子だからなんです、そうなるのも。家でいい子のふりをし、あの人の部屋でいい恋人のふりをし、そして母のこともあの人のことも嫌っているんです。だから居場所がなくて、愛されないんです……」

彼女は一気にいくつも年を取ったような、疲れて歪んだ表情を見せて、こちらを見たまま固まっていた。その姿は、これから裁きを受ける罪びとのようにも、死を宣告される重い病の人のようにも見えた。

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