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昼間なのに裸の男女がベッドに…安いホテルの「五人部屋」で

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、松原悟朗氏の書籍『国境 ―寄り道人生のすすめ―』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

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スペイン(アルヘシラス)→モロッコ(テトアン)一九七三年一二月四日

欧州の各国での入国はビザは不要で、入国審査もないに等しい。飛行機で入国するときは空港での簡単な入国審査はあるが、国際列車で国境を越えるときには、国境で列車が止まって入国・税関の手続きをするのではない。走行している列車の中で、係官が乗り込んできてパスポートのチェックをするくらいである。

国境では言葉や通貨は変わるものの、入国審査等がないという点からは、欧州の各国は実態的には米国のような合衆国みたいである。その反面、違う国に入国したというスリルや感激は少ない。

セビリャを二十三時二十分に出た列車は二時間後の深夜の一時二十分にコルドバに着く。とても寒いホームで二時間ほど待ってアルヘシラス行きの列車に乗り換える。その列車の二等車の乗客はほとんどがモロッコ人。満席で通路は何の水かわからないが濡れているところがあり、ごみが散乱している。その中に寝ている人もいる。

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やっと最後尾に一等車両を見つけたが、予約した車両と座席が見当たらない。車掌をさがして尋ねると、彼らは酒を飲みながらカードの最中。深夜に乗客の世話をするのが面倒なのか、適当なコンパートメントを見つけて寝ていろと言う。そのとおりにする。

十時四十分にアルヘシラスに着く。ものすごい数のモロッコ人が列車から降りて、両手にたくさんの荷物を抱えてフェリーの切符売場に走る。ジブラルタル海峡の向こう側、アフリカ北端のスペイン領セウタに渡るのである。

フェリーのチケット売場ではまたひと騒動で、一列に並んでいたはずがいつのまにか二列、三列になっているように、絶えずどこからか割り込んでくる。それで、数名の警官がつくことでやっと一列になって乗船券を買う。乗船の時も同様で、並んでいるところに割り込んでくる奴がいるので、ここにも警官が見張って乗船する。

一時間二十分の乗船でジブラルタル海峡を渡り、アフリカ大陸に上陸。到着したところはスペイン領セウタで、カサブランカ行きのバスに乗る。バスは走り出すとすぐに国境。

入国審査はバスの乗務員が乗客のパスポートを集めて一括で処理し、その間に簡単な荷物の検査で終わる。ちょっと前までは長髪者の入国は禁止されていたそうだが、最近はどんな格好でも入国可能である。もっとも、個別の入国審査ではないので、髪が長かろうが短かろうが問題はない。

入国審査後、隣の町のテトアンでバスに貨物を積むとのことで一時間の休憩。そのため、バスターミナル近くのバザールを歩いていると、「オッス」とか、「こんにちは」などの日本語で子供たちから話しかけられて、こんなところでも日本人旅行者がたくさん来ているのかと、思わず苦笑する。

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