top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

1000ドル奮発した16年ワールドシリーズ現地観戦の感動、そして鈴木誠也への期待【オカモト“MOBY”タクヤが語るカブス愛:後編】<SLUGGER>

THE DIGEST

1000ドル奮発した16年ワールドシリーズ現地観戦の感動、そして鈴木誠也への期待【オカモト“MOBY”タクヤが語るカブス愛:後編】<SLUGGER>

 鈴木誠也の入団もあって、日本でも再び注目度が高まっているカブス。「SCOOBIE DO」のドラマーで、日本一熱狂的なカブスファンと言っても過言ではないオカモト"MOBY"タクヤ氏に、MLBでも独特の立ち位置を持つカブスというチームの魅力について語ってもらった(聞き手:久保田市郎/SLUGGER編集長)。

――「愛すべき負け犬」というチームカラーが確立されていたカブスですが、2016年には108年ぶりのワールドチャンピオンに輝きました。MOBYさんは15年のリーグ優勝決定シリーズと、16年のワールドシリーズを現地観戦したんですよね?

オカモト"MOBY"タクヤ 15年はリーグ優勝決定シリーズを観に行きました。ちょうど自分のバンドのドラムのレコーディングが終わったタイミングだったので「これ、行ける!」と思って調べたら、行きはワンストップ、帰り直行便で7万5000円、思ったよりもかなり安く行けたんですよ!行きはダラス経由で、税関で「お前、カブスの試合を観に行くのか。めっちゃいいな!」って、すげえうらやましがられて。――現地に入って、もうその日が試合ですか?

 そうです。行く直前にチケット買って。200ドルちょっとだったんですけど、バックネット裏の上の方で。本当は第4戦と第5戦に行くはずだったんですけど、第5戦は。第4戦で負けちゃったんすよ。試合後、前編でも触れた『マーフィーズ』っていうバックスクリーン裏のバーに飲みに行って酔いつぶれて。あんまり記憶がなく、あとから自分で撮った写真で記憶を辿っていった感じなんですけど(笑)、たくさん友達ができて。その中にカブスの映像班のスタッフもいて。エミー賞を取ってるくらいの人なんですよ。

 16年は、6月にたまたまバンドのオフが1ヵ月ぐらい出来たので、その時に3週間アメリカ旅行をして。MLB、MLB、ライブ観てMLB、MLBみたいな。ジェームズ・テイラーとジャクソン・ブラウンのツーマンライブ観た一方で、ウィルソン・コントレラスの初打席初ホームランも見たんです。それで「今年は絶対来るわ」と思って。「とにかくスケジュールを調整しないといけない」って。――その時点でワールドシリーズ出場を確信したわけですね。

 それで、ドジャースとのリーグ優勝決定シリーズに勝って、家で号泣しながらそのまま飛行機のチケットを速攻予約して。ただ、その時点では試合のチケットは絶対取れないと思いました。StubHubを見ても1500ドル超えがザラで。でも、とりあえず現地に行って、スポーツバーで観戦出来れば、雰囲気だけでも味わえれば良いやと思って、『マーフィーズ』に何とか入ればいいと店のHPを調べると、なんとバーですらチケットが売り切れていたんです。しかも200ドルとかで、「ええ!」って。飲み放題なのかもしれないけど、周辺のスポーツバーですら全然入れなかった。それで、南にひと駅ぐらい歩いたところに無料で入れるところがあって、そこで第4戦を見ました。

 ただ、第4戦に負けた瞬間にカブスファンの友人たちから連絡が来て「せっかくTOKYOから来ているんだし、お前絶対明日のチケット買った方がいい」って。1勝3敗になって、みんな諦めてチケットの値段が下がるからって。そうしたら実際、下がり始めたんですよ。結局、850ドルのチケットを買いました。手数料150ドルぐらい取られるから1000ドル、日本円で大体10万5千円。買う前に奥さんに「いいのかな?」っ相談したら、「あんたそれ、そこまでいって1000ドルのチケット買っても、別に破産するわけじゃないでしょ?なら観た方がいいに決まってんじゃん!」って。――第5戦は確か、(アロルディス・)チャップマンが鬼のように投げまくった試合ですよね。

 そうそう。チャッピーが何と打席にも入りました(結果は三振)。2階席の最後方の吹きっさらしの席だったので、めちゃくちゃ寒かった。あまりの寒さにボクの分までホットチョコレートを買ってくれた、隣の席のアラバマ州から観に来た男性のことは一生忘れません!

――やっぱりレギュラーシーズンとワールドシリーズでは球場の雰囲気もかなり違うんじゃないですか?

 電車に乗ると、どの駅にも取材班がいて。片言の英語でインタビューを受けたりして。球場も、試合開始の何時間も前から開いてて。球場に入った時はまず安堵ですよね。「これで試合を見られる」っていう。あと、この試合はすごくいい雰囲気で。「どうせ負けて元々」みたいな。カブスの負け慣れが逆に良かったような。 次の日に帰国して、第7戦が11月3日の祝日で、ボクは水道橋のMLBカフェに行ったんですよね。カブスファンは1階、インディアンスファンは2階に分かれて。いやあ、日本にあんなにカブスファンがいたんだと思うとグッときますよ。スコット・マーフィーっていう、日本在住のカブスファンのミュージシャンも来てました。やっぱり108年ぶりの瞬間に立ち会えたのはたまらないですよね。

――そんなカブスですが、去年の夏に16年の英雄たちを次々にトレードしてしまいました。カブスファンでなくとも結構ショッキングな出来事だったわけですが。

(アンソニー・)リゾー、KB(クリス・ブライアント)、ハビー(ハビア・バイエズ)がいなくなってね。他にもいろんな選手をトレードして、朝起きるたびに誰かがいなくなっている感じでした。予感はしていても実際いなくなると、「ここからまた再建ロードが始まるのか。長い旅路になるぞ」って。

 でも、そうしたら(パトリック・)ウィズダム、(フランク・)シュウィンデル、(ラファエル・)オルテガといったオールドルーキーたちが出てきたんですよ。16年とのギャップが激し過ぎるものの、ちょっと楽しいなと思った自分もいるんですよ。もちろんつらいんですけど。何か、耐えられずに離れていくファンの人たちはたくさんいるんだろう。けれども、何かこういうことを乗り越えるって「俺、ファンだな」って。――笑。

 誰が好きっていうより、やっぱチームが好きなんだなと。あの場所と、あのチームの存在が好きだってことが、2021年の7月末~8月にかけて実感しました。だから今シーズンは楽しみです。ある意味、結果はどうなってもいい。

――そういう状況で、鈴木誠也選手が加入したわけですが。

 今年の1月くらいかな、先ほど触れたカブスの映像班で働いている友達からメールが来て、「アイリ・スズキはシンガーなの? シンガーならMOBYは同業だから、面識あるの?」(※)って。

――なるほど。

「いや、確かに同じ名前のシンガーがいるけど、それは違うんだよ」と。「セイヤ・スズキのワイフは元新体操の選手、アイリ・ハタケヤマだよ」って返したら、「そうか。なるほど! だからWikipediaで調べてもセイヤのことが出てこなかったんだ!」って(笑)。

※:カブス映像班の友達が見つけてきたのは元ハロー!プロジェクトの鈴木愛理と思われる。 鈴木誠也に関してすごくいいなと思ったのは、カブスの一員として野球やってることがとても楽しそうですよね。だって、チームに合流して1週間2週間で、監督のお腹さすってるんですよ。例えば僕らが旅行に行って楽しいなと思う時って、その土地に溶け込む時じゃないすか。風景とかに溶け込む瞬間に楽しいなと思うわけだから。彼はもうそれを見つけてますよね。だから、活躍はもちろんしてほしいし、してくれないと困るんすけど、まずこの時点で楽しそうだなっていうのが、もう答えを出しているなって感じがしますね。 開幕からの大活躍、4月の月間最優秀新人を受賞した鈴木誠也が、一転して5月は試練の時期を迎えています。同様にチームも厳しい状態になっていますが、これは言い換えれば、チームの浮上の鍵を握っているのも鈴木誠也だ、ということになりますよね。そんな彼の活躍を期待しながら、一緒にこのカブスを応援する方々が増えることをボクも祈っております。

 そして勝ったら一緒に歌いましょう、スティーブ・グッドマン『Go Cubs Go!』を!

【PHOTO】大谷翔平、鈴木誠也、ダルビッシュ有…MLB 2022シーズンで躍動する“サムライ”たちの厳選フォトを一挙紹介!

オカモト“MOBY”タクヤ:ロックバンド「SCOOBIE DOO」のドラマー。。MLB観戦歴30年以上を誇り、J SPORTS「MLBミュージック」メインMC、SPOZONEでMLB中継の試合解説&実況も務める。SLUGGERでは「ベストヒットMLB」連載中。Twitter:@moby_scoobie_do。

 

TOPICS

ランキング(スポーツ)

ジャンル