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人は中途半端にしていることほど忘れない「ツァイガルニク効果」

カラパイア


 まだ終わっていないうちに中断した事、達成できなかった事ほど、いつまでも思い出せたりしないだろうか? 人はやり残した作業ほどよく覚えている傾向がある。これを「ツァイガルニク効果」という。

 ソ連の心理学者が発見したこの効果は、いくつも研究によって裏付けらている一方、「中断のタイミング」や「作業への意欲」「難易度」などによっても影響を受けることも知られている。

 不思議な効果だが、うまく利用すれば、先延ばしにしがちな癖を克服したり、試験の成績を伸ばしたり、あるいはメンタルヘルスの改善にも役立つそうだ。

ウェイターは料理が出されていないテーブルの注文を忘れない

 1920年代、ウィーンの人気レストランに座っていた旧ソ連の心理学者ブリューマ・ツァイガルニクは、そこで働くウェイターを眺めていてとあることに気がついた。

 まだ料理が出されていないテーブルの注文はよく覚えているのに、料理が出され支払いが済むと、そのテーブルのことはすぐ忘れてしまうようなのだ。

Photo by Bimo Luki on Unsplash

作業の中断と記憶の関連性を検証

 そこでツァイガルニクはこれを実験で検証してみることにした。実験では、被験者にパズルや数学といった20問ほどの問題に取り組んでもらった。

 だが問題のうちの半分は、まだ解き終える前に中断させた。それから被験者に課題について質問してみると案の定、彼らは中断された課題ほどよく覚えていたのだ。

 いくつかの実験を繰り返し、ツァイガルニクは中断した作業の場合、大人ななら90%、子供なら2倍もよく記憶していることを突き止めた。

Photo by Ryoji Iwata on Unsplash

人は中断したことほどよく覚えていることが裏付けられる

 その後の研究で、ツァイガルニク効果はさらに裏付けられている。

 例えば、1960年代、記憶の研究者ジョン・バデリーは、被験者に一定時間でアナグラム(単語内の文字を並び替えて、別の単語を作る遊び)を解いてもらうという実験を行った。

 被験者は最後に、解くことができなかったアナグラムの解答を見せてもらえる。実験後、被験者がどのくらいアナグラムを覚えていたか確認すると、解けなかった問題の方がずっとよく覚えていることが確認された。

 他にも1982年、ケネス・マクグローとジリナ・フィアラが、空間的推論課題で同じようなことを行った。

 だがこの実験では、テスト中断後、被験者は問題を解いてもいいし帰ってもいいと告げられる。すると特にメリットもなかったのに、86%が残って最後まで問題を解くことを選んだ。

Photo by Laine Cooper on Unsplash

なぜツァイガルニク効果が起きる要因は意欲や難易度と関連

 その後の研究では、ツァイガルニク効果がいくつかの要因に左右されるらしいこともわかっている。

 これはツァイガルニク自身が最初に議論したことでもある。彼女によれば、覚えているかどうかは、「中断のタイミング」「成功させるという意欲」「疲労」「課題の難易度」によって変わってくるという。

 例えば、そもそも問題を解こうという意欲がなければ、中断されたとしても忘れてしまうという。

 マクグローとフィアラの研究では、報酬への期待がツァイガルニク効果を左右することがわかっている。

 実験に参加したこと対する謝礼がない場合、残って問題に取り組んだ被験者はずっと少なかったのだ。

photo by iStock

ツァイガルニク効果を生活に役立てる方法

 ツァイガルニク効果は、うまく利用すれば、日常生活で役立ってくれることだろう。
・先延ばしの克服
 何かと先延ばしにしがちな人は、ツァイガルニク効果を利用するといい。大きな課題が与えられると、私たちはしばしば圧倒されてしまう。

ツァイガルニク効果の研究から言えるのは、まずは始めてみるということだ。大変な部分に手を出す必要はない、簡単なことでいい。

大事なのは、とにかく始めて、途中で終わらせることだ。すると、やり残した感がいつまでも残る。それは気分のいいことではないが、終わらせるというモチベーションにつながる。

・試験の成績を上げる
 ツァイガルニク効果は試験勉強でも有効だ。勉強を中断すると、記憶に残りやすいからだ。だから一度に何もかもを詰め込むのではなく、時折休憩を挟んで、何か別のことに手をつけるといい。

それでも学習した内容が脳裏から離れることはなく、記憶にずっと定着しやすくなる。試験当日はスラスラと思い出せるようになるだろう。

・メンタルヘルスを守る
メンタルを病む理由をツァイガルニク効果から説明することもできる。例えば、重要な作業を終わらないままにしておいたとしよう。

するとやり残した感がストレスや不安となる。おかげで眠れなくなったり、精神的・感情的な消耗を招いたりするようになる。

そこでこれがツァイガルニク効果であることを思い出そう。人はそういう風にできていると理解できれば、メンタルヘルスを改善する助けにもなる。

きちんとやり遂げれば、それは達成感や自信にもつながる。とりわけストレスの高い仕事なら、充実感もひとしおで、心の健康を高めてくれることだろう
References:What Is the Zeigarnik Effect? Definition and Examples / written by hiroching / edited by / parumo

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