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待望の“青森山田同期対決”が実現! 同サイドで内田陽介と安斎颯馬が対峙「もっとマッチアップしたい」「嬉しかったし、楽しかった」

SOCCER DIGEST Web

待望の“青森山田同期対決”が実現! 同サイドで内田陽介と安斎颯馬が対峙「もっとマッチアップしたい」「嬉しかったし、楽しかった」

 関東大学サッカーリーグ1部・第6節の明治大対早稲田大の一戦。全勝の首位・東京国際大を追いかける2位・明治大と、今季初勝利に燃える11位・早稲田大において、「青森山田同期対決」が実現した。

 明治大のDF内田陽介と早稲田大のMF安斎颯馬は、青森山田で前者は右サイドバック、後者はシャドーでプレーし、3年次には選手権準優勝に輝いている。決勝での山梨学院戦は2−2からPK戦にもつれ込む死闘だったことは、多くの人が記憶に残っているだろう。

 その2人が初めて敵同士で対戦した。しかも、この試合の2週間前に内田が左サイドバックにコンバートされたことで、右サイドハーフの安斎とのマッチアップという形となった。

 この構図に2人は心を踊らせていた。

 話は試合の2週間前に遡る。前述した通り、この時に内田は左サイドバックにコンバートされた。

「左サイドバックをやるということが分かった時から、早稲田戦は右サイドハーフの安斎とマッチアップできると思っていたので、どうしてもこの試合に出たい気持ちが強かったです。栗田(大輔)監督からスタメンを言われた時も、『同い年の安斎には絶対に負けるな』と言われていたので燃えていました。試合前、安斎とはグータッチしたくらいです」

 安斎は昨年度の関東大学リーグ1部の新人王を獲得し、ブレイクの時を迎えた。内田にとって仲間の活躍は大きな刺激となっていた。だからこそ、昨年度は自分が出場していなかったがゆえに実現できなかった“同期対決”を、今年は何としても実現させたい思いが強かった。そして、それが叶ったのだから、内田が燃えない訳がなかった。
 
 一方の安斎は、直前まで内田がスタメンであること自体知らなかった。内田は早稲田戦の前まではベンチ入りすらしておらず、同級生の動向を常にチェックしている安斎もそれは把握していた。

 それゆえに「試合に出てほしいけど、出ないのかなと思っていた」という。しかし当日、試合前のアップ前に内田の姿があった。たまたまトイレで隣同士になり、安斎は「ウッチー、今日出るの?」と聞くと、内田は「いや、まだ分からない」と一言。

 いざ先発が発表されると内田がスタメンで安斎は驚く。ピッチ入場後にそれぞれのポジションについた時に、内田がいつもの右サイドバックではなく、左サイドバックであることに気づき、さらに驚いたという。
 
「蓋を開けてみたらもうびっくりですよ。ただでさえスタメンと聞いて、大学サッカーで初めて青森山田のチームメイトと対戦できるとなってモチベーションが一気に上がったのに、キックオフの配置について、『あ!ウッチー、左だ!』とマッチアップすることを知ったので、その時に僕の中でさらにギアが上がったんです。1対1になったら抜いてやろうと思った。ワクワクしかなかった」(安斎)

 安斎もまた燃えに燃えていた。お互いの思いが交錯するなかで試合が始まると、開始早々4分、安斎がいきなりチャンスに絡む。浮き球の縦パスに完全に抜け出すと、GKとの1対1になるが、放ったシュートはGKのファインセーブに阻まれた。

 それ以降は両者一歩も譲らず。スコアレスで後半に入ると、今度は内田がやり返す。63分、左サイドで敵の安斎と右サイドバックの西尾颯大の間にできたスペースを見逃さず、ワイドの高い位置に張り出す。自軍のCB岡哲平のロングフィードに対し、相手のサイドバックとセンターバックの間のスペースに走り込んだ左サイドハーフ熊取谷一星の動きを、内田は見逃さなかった。

 後方からのフィードを、内田はトラップせず、ヘッドでダイレクトに熊取谷に落とすと、そのままペナルティボックス内にドリブルで侵入した熊取谷がファールを受けてPKを獲得。このPKを熊取谷自らが決めてチームに先制点をもたらした。

 その後、マッチアップで優位に立ったのは内田のほうだった。CBと息の合った連動を見せて、ラインコントロールと攻撃参加で早稲田大を押し込むと、安斎は82分に交代を告げられた。
 
 しかし、後半アディショナルタイム3分に、右CKの跳ね返りを拾った早稲田大MF植村洋斗に突破を許し、ライナーのクロスをニアでFW奥田陽琉にドンピシャヘッドで合わされ、明治大は同点に追いつかれる。このシーン、ファーサイドにいた内田は見つめることしかできなかった。

 1-1のドロー決着。試合後、内田はマッチアップをこう振り返った。

「熊取谷との連係でずっと相手のボックス内を狙っていました。安斎も熊取谷を意識して、寄ったポジションを取っていたので、僕が高い位置や中間ポジションに入ることで相手のマークをずれさせることを狙いました。あのシーンは安斎も僕のほうに食いついてきてくれたので、中が空いた。1点目は僕が理想とするプレーができたと思います」

 今までやったことがなかった左サイドバックで「利き足の右で持てる分、中に仕掛けやすくて、サイドハーフとの連係も取りやすいと思いました」と新境地を開き、さらには、かつての仲間との対戦で大きな自信を得ることができた。内田にとっては、思っていた以上に多くのものを得た一戦となった。
 
 一方の安斎は「ウッチーは相変わらず対人が強いし、身長は高くないけどヘッドは強い。失点の時もウッチーの凄さを見た。それにロングスローは味方の時は頼もしかったけど、敵になるとこんなにも脅威になるのかと思いました。本当に厄介な選手でした」と内田を評した。

 ただ、安斎自身、この試合は万全のコンディションではなかった。前節の東京国際大戦で左足首を負傷し交代していたのだ。明治大戦まで1週間の休みをとって、残りの1週間で練習に参加したが、それでも痛みは残っていた。

「2位の明治大を食うのか、5連敗で次に行くのか。自分たちの今後を左右するくらいの一戦だったので、なんとしても貢献したかった。途中交代せざるを得ませんでしたが、チームが最後に追いついてくれたので、そこはポジティブに考えたいです」

 それぞれの背景があったが、「あと2年半あるので、もっともっとマッチアップしたいと思った」と安斎が語ったように、2人にとっては濃密な時間であった。
 
 最後にかつての盟友へのそれぞれの思いを聞いてみた。

「久しぶりに安斎とフィールドの中でプレーできたので、嬉しかったし、本当に楽しかった。安斎は背後の抜け出しがかなり上手くなっていて、やっぱり凄い選手だなと思いました」(内田)

「ウッチーは高校時代と変わらず自分のストロングポイントを前面に出したプレーを淡々とやり続けられる選手。あまり表情には出さないし、口にも出さないけど、内に秘めているものは大きいと、この試合で改めて思いました。そこは自分にないものなので、大きな刺激になります」(安斎)

 かつての友は今日の敵だったが、ピッチを離れれば友であることに変わりはない。次に顔を合わせる時はどのようなバトルが繰り広げられるのか。関東大学リーグ1部で躍動する2人の切磋琢磨の物語はまだまだ続く。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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