2022年第1回「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線」(出典:日本気象協会推進 熱中症ゼロへ)
今年の夏は猛暑との予想もあり、「熱中症」への備えが例年以上に大切と思われます。そんな中、熱中症対策を呼び掛ける「熱中症ゼロへ」プロジェクトを展開している日本気象協会(東京都豊島区)が、「暑熱順化前線」というものを4月に発表しました。
熱中症対策として、暑さに体を慣らしておこうという「暑熱順化」が注目されていますが、「暑熱順化前線」は、桜前線のように南から北へ進んでいく図で、各地域で暑熱順化をいつごろ始めたらよいか示しているそうです。なぜ作成、発表したのでしょうか。日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクトリーダーの曽根美幸さんに聞きました。
「暑くなる前に熱中症対策」分かりやすく
Q.暑熱順化前線を発表した理由と狙いを聞かせてください。
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曽根さん「『熱中症ゼロへ』プロジェクトでは、夏だけでなくその前から体を暑さに慣れさせる『暑熱順化』の大切さについて、以前から発信しており、昨年2021年からは『暑熱順化ポイントマニュアル』も公開しています。
今回は、暑熱順化をより身近に、分かりやすくお伝えするため、また、暑くなる前から熱中症対策を呼びかけるため、『熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線』を作成し、第1回の発表を行いました。今年、初めて発表しました」
Q.どのようにして前線を作成しているのでしょうか。
曽根さん「暑熱順化前線のアルゴリズムは非公開ですが、前線は気象データのほかに、過去の熱中症に関するデータを使用し、暑熱順化が必要なタイミングを算出・前線図化しています」
Q.暑熱順化のポイントについて、教えてください。
曽根さん「暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。体を暑さに慣れさせる暑熱順化ができると、体の外に熱を逃がしやすくなること、汗からナトリウムを失いにくくなること、体温が上昇しにくくなることなどにより、熱中症になりにくい状態になります。