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3年前に亡くなった父が「借金の連帯保証人」だった…いまさら相続放棄はできるか【弁護士が解説】

幻冬舎ゴールドオンライン

提出した上申書により期限の延長が認められ、無事にAさんらは相続放棄の手続きを行い、相続放棄することができました。

結果として、金融機関に対しても相続放棄を理由に連帯保証債務の請求を拒むことができ、Aさんらは多額の債務から逃れることができたのです。

被相続人が連帯保証人だった…押さえたい「ポイント」

今回のAさんのご相談のように、親などの被相続人が連帯保証人だった場合、連帯保証債務は相続されてしまいますが、相続放棄をすることによって免れることができます。ただし相続放棄すると、預貯金などの資産も相続できなくなってしまうので注意が必要です。

ここでは被相続人が連帯保証人だった場合の対処方法や注意点を解説します。

・「連帯保証債務」は相続される

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被相続人が連帯保証人になっていた場合、相続が発生すると相続人が連帯保証人の地位を引き継ぐことになります。つまり連帯保証債務が相続されてしまいます。

連帯保証債務を引き継いだ相続人は、債権者からの支払いを拒むことはできませんので、主債務者が支払いをしなくなったら、債権者から請求を受けてしまうことになります。

【相続人が複数いる場合の相続方法】

相続人が複数存在する場合、連帯保証債務は「法定相続分」に応じて分割して相続されます。たとえば「配偶者と2人の子ども」が相続人となる場合、配偶者が2分の1、子ども達はそれぞれ4分の1ずつの責任を負担すると考えましょう。

・「相続放棄」すると連帯保証債務を免れることができる

相続人が連帯保証人の地位から外れたい場合には、「相続放棄」が有効な対処方法となります。

相続放棄とは、もともと法定相続人だった人が相続人としての地位を放棄することです。相続放棄した人は「はじめから相続人ではなかった」扱いになるので、資産も負債も一切承継しません。親などの被相続人が連帯保証人だったとしてもその地位を相続せずに済むので、支払いをする必要はなくなります。

高額な連帯保証債務を相続したら、相続放棄を検討しましょう。

損をする場合も…「連帯保証債務の相続放棄」注意点

連帯保証債務を相続したくないために相続放棄する場合、以下のような点に注意しましょう。

・資産も承継できなくなる

相続放棄すると、負債だけではなく資産も相続できなくなります。不動産や預貯金などの高額な資産があっても、一切承継することはできません。

負債額よりも資産評価額が高い場合に相続放棄すると、損をしてしまう可能性があります。

・必ずしも支払い義務が及ぶとは限らない

連帯保証債務を相続しても、必ず支払いが必要になるとは限りません。主債務者が返済している限り、連帯保証人が支払う必要がないからです。完済間近な場合や主債務者がきちんと返済しそうな場合に相続放棄すると、資産を承継できなくなり不利益を受けてしまう可能性があります。

相続放棄を検討するときには、主債務者の「支払い能力」や「残債務の額」を調べてから検討するのがよいでしょう。

・期限がある

相続放棄には、期限があります。「自分のために相続があったことを知ってから3ヵ月以内」に家庭裁判所で「申述」という手続きをしなければなりません。

基本的に「相続開始(被相続人の死亡)」を知ってから3ヵ月以内に手続きが必要になると考えましょう。3ヵ月が経過すると自動的に「単純承認」が成立し、相続放棄できなくなってしまいます。

連帯保証債務を相続したくなければ、早めに家庭裁判所で申述をしましょう。

「相続放棄」手続き時に必要な書類

相続放棄は、被相続人の最終住所地を管轄する家庭裁判所で手続きをします。

必要書類は以下のとおりです。

・相続放棄の申述書
・被相続人の住民票除票または戸籍の附票
・被相続人が死亡した事実を確認できる戸籍謄本、除籍謄本
・相続放棄者の戸籍謄本

孫が代襲相続する場合や親、兄弟姉妹などが相続するケースでは、上記とは別の「戸籍謄本」類も必要です。

必要書類を揃えたら、収入印紙800円と連絡用の郵便切手を購入して一緒に家庭裁判所へ提出しましょう。これで手続きが完了します。その後、しばらくすると家庭裁判所から自宅宛に照会書が送られてきます。同封されている「回答書」に記入をして、家庭裁判所宛に返送しましょう。

回答内容に問題がなければ相続放棄の申述が受理され、連帯保証債務が及ぶことはなくなります。

知らずに連帯保証人になっているかも…郵便物の確認を

被相続人が連帯保証人となっている場合、相続発生後すぐには相続人が気づかないケースが多々あります。主債務者が支払い続けている限り、連帯保証人には支払いの請求が来ないからです。

被相続人の預金取引履歴などを確認しても、支払っている形跡がないので「負債はない」と考えてしまう方が多いのです。

このように連帯保証債務の存在に気づかず相続放棄の申述可能な期間を過ぎてしまっていた場合、知らないあいだに連帯保証債務を相続してしまいます。そうなると、もし債権者から請求が来た時には支払いせざるを得なくなるケースがほとんどです。

特に注意した方がよいのは、被相続人が事業者や経営者だったケースです。

上記のような方々は、会社やつきあいのある経営者、知人などが連帯保証人となっていることが少なくありません。自宅や事業所に契約書などの書類が保管されていないか、しっかり確認しましょう。

それ以外にも、金融機関などからお知らせの書類が届いていないか確認するため郵便物をチェックし、負債や借入を窺わせるようなメールが届いていないか、電話がかかってきていないかなども併せて確認してみてください。

まとめ

被相続人が連帯保証人だった場合、相続人が連帯保証債務を相続してしまうことになります。主債務者が支払わなくなったら代わりに返済しなければなりません。連帯保証債務を相続したくなければ、家庭裁判所で相続放棄の申述をしましょう。

ただし相続放棄にはメリットだけではなくデメリットもありますし、期間制限もあります。

連帯保証人の地位を引き継いでしまって相続放棄すべきかどうか迷ったら、遺産相続に詳しい弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

堅田 勇気

Authense法律事務所 弁護士
 

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