
※本記事は、玉野のももたろう氏の小説『龍神伝説』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
【前回の記事を読む】「紫龍様は私がお嫌いになられたのです」姫が涙した理由とは
龍神伝説
「紫龍殿の事、姉上様のお耳に入れた方が良いかのう……」
「姉上様は、もう産み月ゆえ、御心配をおかけしてはなりません」
「そうであったな! 紗久弥も楽しみに毎日、姉上様の所へ行っておる」
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「紗久弥はお腹の音を聞くのが余程嬉しいのね!」
清姫は笑った。
「コトコトと命の音を感じて幸せになるの! 私も御母上様のお腹に居た時、こんな感じだったのね!」
と紗久弥姫は満面の笑みを見せた。
「紗久弥が母上様のお腹にいた時にも、羅技が同じ様に母上様のお腹に耳を当てていたわ! 紗久弥が産まれるのを今か今か、とそれは楽しみにしていたの!」
と清姫は昔を懐かしんだ。