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『エルヴィス』バズ・ラーマン監督が語る「エルヴィス・プレスリーは歴史上における王たる存在」

MOVIE WALKER PRESS

『エルヴィス』バズ・ラーマン監督が語る「エルヴィス・プレスリーは歴史上における王たる存在」

現在開催中の第75回カンヌ国際映画祭でのプレミア上映を控えた『エルヴィス』(7月1日公開)。米ラスベガスで4月に行われていた映画館興行主向けのコンベンション、シネマコンにおいて『エルヴィス』の特別映像が公開された際に監督のバズ・ラーマンと主演のオースティン・バトラーが語った映画のバックストーリーも話題になった。

「私は伝記映画が大好きですが、『エルヴィス』は伝記映画ではありません。この映画には、50年代、60年代、70年代のアメリカから私が受けた影響が込められています」と、バズ・ラーマン監督は語る。この時代のアメリカについて語るときに、良いものも悪いものも悍しいものも含め、当時のカルチャーを無視することはできない。そして、それらを体現するのがエルヴィス・プレスリーの存在だ。

バズ・ラーマンはエルヴィスを「歴史上における王たる存在、この時代のシェイクスピア」と表現する。「『アマデウス』はモーツアルトの物語ではなく、(アントニオ・サリエリが抱く)嫉妬心を描いたものでした。そして、この映画でアメリカにおける3つの歴史的出来事を描こうと考えました。ハリウッドで最も高額の出演料を得ていたタレント、ラスベガスのホテルに幽閉されていたレジェンド、そして“大佐”と名乗っていたトム・パーカーという男。それらの中心に、エルヴィス・プレスリーがいるのです」とラーマン監督が言うように、カリスマ的才気を放つエルヴィス(オースティン・バトラー)の姿を、敏腕かつ支配的なマネージャーのパーカー大佐(トム・ハンクス)の視点を用いて、対象に光を反射させるような体裁で描く。

トム・ハンクスの存在感と演技についてラーマン監督は、「撮影序盤のトムは少し神経質になっていて、殻を破ることに苦労していたようでした。でも、やはり彼は“俳優界のロールス・ロイス”です。いままでたくさんの俳優たちと仕事をしてきましたが、トムは特別でした」と、独特な表現で言い表した。エルヴィスゆかりの土地、ラスベガスで初公開された映像には、バズ・ラーマン監督の過去作にもあるような退廃的なパーティシーンや、ステージ上のエルヴィスが熱狂するファンを煽るシーン、そこにトム・ハンクスが演じるパーカー大佐のナレーションが被される。『ロミオ+ジュリエット』(96)、『ムーラン・ルージュ』(01)、『華麗なるギャッツビー』(13)に連なる、バズ・ラーマンの圧倒的な美意識が集結されているようなシーンだった。

そして、ポップスターのアイコン、エルヴィス・プレスリーを演じたオースティン・バトラーを壇上に呼び込み、トーク・セッションが行われた。バトラーは、ジム・ジャームッシュ監督の『デッド・ドント・ダイ』(19)やクエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)に出演している新鋭俳優で、初のタイトルロールを演じている。バトラーが「エルヴィスは超人的と言えるほど象徴的な地位に引き上げられてしまった存在で、彼の人間性を、映画から感じてもらえるように演じようと思いました」と述べると、ラーマン監督は同じくワーナー・ブラザーズ映画の『ザ・バットマン』を引き合いに出し、こう述べた。「エルヴィスは、あの時代の元祖スーパーヒーローと呼べる存在です。どこからともなく現れ、急激に高みに昇り、そして急所によって堕ちていくのです」。

シネマコンでの特別フッテージ上映に先駆け、関係者向けに行われた試写で映画を観たプレスリーの元妻、プリシラ・プレスリーはオースティン・バトラーの存在感に圧倒されたとSNSでコメントしている。

「この物語は、エルヴィスとトム・パーカー大佐の関係を描いたものです。バズ(・ラーマン監督)ならではの芸術的な手法で、見事にクリエイティブに語られた実話の映画化になっています。映画の途中で、ジェリー(・シリング、エルヴィスの友人)と顔を見合わせて『ワオ!』と声をあげました。エルヴィスを演じたオースティン・バトラーの演技は見事でした」

文/平井伊都子

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