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POGファン必見「来春のダービー候補5頭」を競馬雑誌元編集長が徹底解説

日刊SPA!

POGファン必見「来春のダービー候補5頭」を競馬雑誌元編集長が徹底解説

◆気軽に馬主気分を味わえる「ペーパーオーナーゲーム」とは

 みなさんは「POG」という言葉をご存じでしょうか? POGとは、ペーパーオーナーゲームの略称で、デビュー前の2歳馬を指名して、その馬たちの獲得賞金を競い合うゲームのこと。競馬雑誌や競馬サイトで行われるものと、仲間同士で行われるものに大別され、一般的に前者を「誌上POG」、後者を「ドラフト制POG」と呼びます。ダービーの1着賞金が2億円と破格なので、実質的には「最も早いダービー馬当てクイズ」だと考えてよいでしょう。

 一般的なPOGでは6月4日の新馬戦開始前に、指名馬を決定するドラフト会議を行うことが多いため、今まさに、多くのPOGファンが頭を悩ませている真っ最中。かくいう私もその一人です。

 私は競馬誌の編集部に入る前からPOGを楽しんでおり、それが高じてPOGのガイドブックを作るまでに。手がけた『競馬王のPOG本』は今年で16年目を迎えることができました。『競馬王のPOG本』では、2017年から元中日ドラゴンズのエースで競馬好きとして知られる山本昌さんに牧場取材をお願いしています。6年目となる今年も、山本昌さんの取材に同行させていただき、育成現場の最新情報をたくさん仕入れてきました。そこで今回は、取材を通して浮かび上がったダービー候補を5頭、紹介したいと思います。

◆ダービー制覇に期待がかかる2頭のハーツクライ産駒

ダノンザタイガー

父:ハーツクライ
母:シーズアタイガー
牡:美浦・国枝厩舎

 アーモンドアイ、アパパネなど数多の名馬を手がけた国枝調教師ですが、牝馬の活躍馬が多く、いまだ日本ダービーのタイトルを手にしていません。定年が迫っており、今年を含めてダービーに挑戦できるのは最大で4回。もし、今年出走予定のコマンドラインで勝てなかった場合、悲願を託されるのがこの馬でしょう。

 ノーザンF早来で取材させていただきましたが、実際に国枝調教師と「この馬でダービーに行きましょう!」という話で盛り上がっているとか。取材当日は、雪がちらつく生憎の天気だったのですが、後日、事務局の方から「母シーズアタイガーの写真はしっかり撮れていましたか?」と何度も確認されました。これは、牧場サイドの自信の表れだと私は解釈しています(笑)。

ネアセリーニ

父:ハーツクライ
母:スウィートリーズン
牡:栗東・高野厩舎

 今年の2歳は、ロードカナロア、エピファネイア、ハーツクライの産駒に評判馬が揃っていますが、ダービーへの適性を考えたら、やはりハーツクライ産駒が最右翼。母シーズアタイガーに続き、もう一頭、ハーツクライ産駒を取り上げましょう。

 この馬はノーザンF空港で取材した「ビンビン1号」です。「ビンビン1号」とは「手応えビンビンの馬」という意味で、「ビンビン1号」を尋ねるのが、山本昌さんによるノーザンF空港取材の定番となっています。現3歳の「ビンビン1号」がスプリングSでハナ差2着だったアライバルですから、その精度の高さは折り紙付き。

 この馬の半兄ディアステマは生粋のステイヤーです。その血に「ビンビンの手応え」が加わったら、何やら規格外の大物が生まれそう。既にゲート試験に合格しており、仕上がりも上々の様子で、早めに賞金を稼いだ上で成長を促し、ダービーの頃にピークを迎える姿が目に浮かびます。

◆活躍馬を見抜く眼力がスゴい大魔神・佐々木主浩の切り札

グランヴィノス

父:キタサンブラック
母:ハルーワスウィート
牡:栗東・友道厩舎

 半兄にジャパンカップ馬のシュヴァルグラン、半姉にドバイターフ勝ちのヴィブロス。これを聞いてピンときた方もいらっしゃると思いますが、同馬のオーナーはハマの大魔神こと佐々木主浩氏です。競馬データベースで「馬主 佐々木主浩」で検索すると27件ヒット。その中に、前出の2頭に加え、ヴィルシーナ、マジンプロスパー、ヴォルシェーブ、ブラヴァス、ヴァルコスなどのオープン馬がおり、佐々木主浩オーナーの、尋常ではない馬運の強さが窺えます。
 
 ノーザンF早来での取材では「同時期のシュヴァルグランより動けている」とのこと。ノーザンFを取材していると、世界制覇に向けてキタサンブラックという種牡馬を非常に高く評価しているのが伝わってきます。牡馬クラシックの先に凱旋門賞まで、そんな妄想を掻き立ててくれるのが、このグランヴィノスです。

レッドマグナス

父:ドゥラメンテ
母:シックスイス
牡:栗東・藤原厩舎

 父ドゥラメンテは2021年に9歳の若さで死亡。初年度産駒のタイトルホルダーが昨年の菊花賞と今春の天皇賞(春)を制する活躍を見せており、残された産駒への期待が高まっています。

 ノーザンF早来の取材で、個人的に最も取材の感触が良かったのがこの馬。厩舎長が「かなり自信があります」と言い切った姿は印象的でした。同馬は社台牧場生産で、ノーザンFの生産馬ではありません。にもかかわらず取材対象馬に選ばれたのは、それだけ牧場サイドに手応えがあるということでしょう。ダービーのタイトルを手土産に後継種牡馬としてスタリオン入り、そんな未来があっても不思議ではありません。

◆素質馬が揃う「チーム・藤田晋」のエースはこの馬

フェイト

父:リアルスティール
母:サンタフェチーフ
牡:栗東・矢作厩舎

 同馬のオーナーは『ウマ娘 プリティーダービー』を展開するサイゲームスの親会社・サイバーエージェントで代表取締役社長を務める藤田晋氏。昨年、馬主資格を獲得すると、馬のセリ市での爆買いが話題になりました。そして馬主一年目からジャングロで重賞制覇を達成しています。

 実は今年のノーザンFの取材時に、「え、この馬も藤田オーナーなの?」というシーンに何度も出くわしました。それだけ、素質の高い馬をしっかり見極めて購入しているということでしょう。母ヴィンテージローズ、母メジロツボネ、母ローザフェリーチェなど目移りするラインナップですが、ここでは新種牡馬リアルスティールを父に持つこの馬をピックアップ。管理するのは「世界のヤハギ」こと矢作芳人調教師で、ノーザンF空港の厩舎長も「無敵です」と絶賛する逸材です。

 山本昌さんが取材時に思わず「藤田社長、いきなりダービー勝っちゃうんじゃない!?」と呟いていましたが…あると思います。

 ダービーのゲートインが叶うのは世代で18頭だけ。そこにたどり着くのは簡単なミッションではありません。冒頭に書いた通り、その夢の舞台を目指した戦いが6月4日からスタートします。メインレースや最終レースだけでなく、POGに参加してみて、午前中に行われる新馬戦(メイクデビュー)も、注目してみてください。

文/松縄隆史

【松縄隆史】
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。noteはhttps://note.com/shitam

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