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ちむどんどん、貧乏一家でも「同情できない」の声 視聴者なぜ不満?「切迫感のなさ」識者が指摘

J-CASTニュース

2022年度前期のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に登場するヒロインの家庭に対する視聴者からの目線が厳しい。

ドラマは沖縄に住む比嘉暢子(黒島結菜さん=25)が上京し、料理人を目指すというストーリー。2022年5月13日までの放送で、それまで困窮を極めていた比嘉家の家計が改善したかに見え、16日の放送からは暢子が念願の東京に到着して歓喜する姿が放送され、物語は進展を見せている。だがインターネット上では、紆余曲折ありながら暢子が上京を果たしたことを喜ぶ声に交じって、「比嘉家に何一つ共感できないさー 借金しまくり親戚や周りの人に迷惑かけまくりのくせして」とする声がくすぶり続けているのだ。

J-CASTニュース編集部は識者に、このような声が上がる理由について見解を聞いた。

「全く比嘉家の災難に同情できない」

4月11日に放送が始まった「ちむどんどん」では、これまでたびたび主人公の実家の借金問題が描かれてきた。序盤では住居と家業のサトウキビ畑の購入で一家が多額の借金を抱えていることが明かされたほか、物語が進むと、暢子の兄・賢秀(竜星涼さん=29)が、親戚から借りた金を怪しい投資話に注ぎ込み、全額を持ち去られるというエピソードも流れるなど、金銭に関するアクシデントが絶えない展開だった。

だが、暢子をはじめ比嘉家の人々は、子役編はもちろん青年期が描かれ始めても、これらの困難にへこたれることはなかった。そして、前述の通り5月16日の放送では暢子が上京を果たしたが、一家を借金地獄から救ったはずの賢秀からの60万円の仕送りは、実は周囲からの借金であったことが明かされ、金銭問題がまたも浮上。家計は火の車だが、ツイッターを見ると、

「全く比嘉家の災難に同情できない。どんだけ不幸になっても、私の胸は痛まないたろうな」
「借金増やして、責任押し付けて にーにー逃げたな 比嘉家1ミリも同情できない」
「比嘉家と関わり合いになるとろくなことがなさそう とくにお金まわりのルーズさといったら…」

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といった、比嘉家に厳しい声が多い。

朝ドラの家庭環境としては、主人公一家が困窮していることは決して珍しくない。2020年度前期「エール」では主人公(窪田正孝さん)の実家の呉服店が潰れたほか、2020年度後期「おちょやん」では主人公(杉咲花さん)がまず丁稚奉公に出され、貧困の原因は主に父親の博打による借金だった。2021年度後期の「カムカムエヴリバディ」では主人公(上白石萌音さん)の実家の和菓子屋が戦火で燃え、作中では最後まで店は再興できず。そして何より、1983年度の「おしん」の家庭は……やはり極貧だった。こうした作品は視聴者から一定の評価を得てきた。

そう、朝ドラの実家が貧乏である場合、それらは「同情を集める存在」だったはずである。一方で「ちむどんどん」においては、借金を抱える家庭で育ったヒロインの人生が開けていくという展開にもかかわらず、「同情できない」「納得できない」といった声が上がっている。

「自分たちの置かれている状況に対して切迫感が感じられない」

こうした声が「ちむどんどん」に上がることについて、ドラマ、演劇、映画に詳しいライターの木俣冬氏が17日、J-CASTニュースの取材に見解を寄せた。

まず、貧しい比嘉家への視聴者からの同情や共感が他の作品に比べて少ないようにも感じられる原因は、前出のネット上の指摘にもあったような、金銭感覚の「ルーズさ」にあるのかについて聞いた。

「お金にルーズというよりは、自分たちの置かれている状況に対して切迫感が感じられないということのように思います。服や靴は繕いながら使用し夕飯は一品だけとはいえ、借金を重ねてもなぜかなんとかなってしまって深刻に悩む様子が見えないので共感できないのではないでしょうか。比嘉家のおおらかさや近隣の方々と助け合い支え合いなどでなんとかなっているとしたら、そのディテールをほんの少しでも描いたら、また印象が変わると思うのですが……」(木俣氏)

金銭感覚で言えば他の作品でもルーズな登場人物はいるが、比嘉家には朝ドラには今までにない要素、もしくは珍しい要素があるのだろうか。

「これまでの朝ドラは、主人公は堅実だが家族の誰かがルーズという『おちょやん』のようなパターンがよくあります。これだと主人公を応援できますが、『ちむどんどん』のように一家揃って……というのは朝ドラでは稀有です。そこに作り手の意図があるとしても非常に難しい挑戦になっているように感じます」(同)

「今の時代と内容の相性がよくなかったかもしれません」

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