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“週に一度は出社”の謎ルール。若手社員が月金に出社する意外なワケ

日刊SPA!

“週に一度は出社”の謎ルール。若手社員が月金に出社する意外なワケ

 新型コロナウイルスの感染者数は徐々に減少傾向にあり、「かつての日常まで後少し」という雰囲気が漂っている。ゴールデンウィークの行楽地は、どこも人でごった返していた。その影響か、ここにきて感染者数が増加するという事態にも陥っているが、次第に社員への「原則出社」や「週に1〜2回の出社」などを促す企業も出始めている。

 そんななか、中年社員と若手社員の間で軋轢が生まれつつあるという。

◆謎ルール“週に一度は出社”の裏側で…

「先日出社しましたが、スーツはぶかぶか。通勤用の自転車がパンクしていることや、定期券の期限が切れていることも忘れていました」

 こう話すのは、ゴールデンウィーク直前、実に3か月ぶりに出社したという千葉県在住の保険代理店勤務・井上祐一さん(仮名・30代)。

 営業職だが、コロナ禍以降は顧客とのやりとりは全て電話やメールで済ませ、打ち合わせが必要な時はLINEやZoomなどを活用。当初は違和感を覚えたものの、もはやそれが「普通」になっていると話す。

「“週に一度は出社”という謎ルールができて、若い社員は不満を漏らしています。ただ、それもそのはず。出社したいというのは50代以上の社員ばかりで、新しいITツールを使いこなせていない人たちばかり。リモート勤務なら、自分の仕事だけをしていればいいのですが、出社してしまえば、雑談に付き合ったり、昼飯の相談をされたり、仕事以外のことに気を使わなければならない」(井上さん、以下同)

 今では若い社員のほぼ全員がリモートワークの継続を希望しているが、中年以上の社員では、8割が「出社希望」なのだという。

◆以前の「外で打ち合わせ」「取引のため外出」は嘘だった?

「その理由を聞けば、『家に居場所がない』という人もいれば(笑)、“出社しないと仕事をした気分にならない”という本音を隠して『出社することに意味がある』なんて答える上司もいます」

 そんな上司たちだが、以前は出社すればホワイトボードに「外で打ち合わせ」「相手先と取引のため外出」などと記し、日々忙しそうにしていたのだが、リモート体制になってからは、これまでのそうした報告が「ウソ」だったのではないか、という疑問も噴出しているという。

「業務報告をするソフトを使って、リモート中の社員が何をやっているのか逐一書き込むのですが、上司たちは何も書き込まない。それを指摘されて、みな書き込むようにはなったものの、丸一日打ち合わせばかり。ソフトのビデオチャット機能を使っている形跡もなく、ログインすらしていないこともバレバレ」

◆若手社員は「上司を避けるため」月曜か金曜に出社

 “週に一度は出社”の謎ルールが生まれて以降、若い社員はこぞって出社日を月曜、もしくは金曜に設定していると言うが、その理由も全て「上司を避けるため」なのだとか。

「休日明けの月曜は上司もダルいらしく出社しない。金曜はみんな早く帰りたいから残業だったり、あれこれ指示されることも少ない。ヒマな平日に上司の近くにいようものなら、あれこれ無駄話や雑用をふられたり、大変ですからね」

 上司たちは、出社している若い社員に「営業は足でやれ」とハッパをかけると言うが、そもそも営業先が対面を避けていることにも気が付かず、結局は「仕事をやった気になっているだけ」。そして、それを若い社員に「強要しているだけ」と感じている。

◆炙り出される“無能な上司”

「コロナ禍のやり方でもうまくいっており、実際、会社の業績は回復傾向にあります。会社は中高年社員の早期退職制度の話を持ち出してきて、対象の社員はあたふたしているようです。クビにならないためなのか、毎日出社しては意味のない作業に精を出す上司が続出しています。まあ、無駄の炙り出しといえば失礼ですが……」

 2年前、ちょうどコロナが流行し始めた頃に入社した若い社員からも「今さら出社が必要なんですか?」と疑問の声が上がっている。すでに「それなら辞めます」と会社を後にした者もいるという。

 いま、改めて問われている“出社”の意義。若者たちにとってリモート体制はメリットの方が大きいようにも思えるが、この感覚についていけない中高年は、今までのやり方に固執するだけでは居場所がなくなってしまう恐れもあるのかもしれない。

<取材・文/山口準>

【山口準】
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。

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