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「公共交通機関でのマスク着用義務は“違法”」米連邦地裁の衝撃判決…米国が直面した「本当の問題」【医師が解説】

幻冬舎ゴールドオンライン

連邦地裁により「公共交通機関でのマスク着用義務」が違法と判断されて以降、マスクの有無は業者の方針や旅客各自の選択に委ねられることになりました。米国の脱マスク化の現状について、米国在住の大西睦子医師が解説します。

米国で「公共交通機関でのマスク着用義務」が撤廃

米国では、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の対策として、公共交通機関でのマスク着用が義務化されていました。ところが2022年4月18日、トランプ前大統領が任命したフロリダ州のキャサリン・キンボール・ミゼル連邦地裁判事が「違法」と判断。この判決により、バイデン政権が計画していた「5月3日までマスク着用義務の延長」は覆されました。

これに対して、米疾病対策センター(CDC)は「現時点では、引き続き公共交通機関の屋内輸送通路でのマスク着用を推奨する」と表明。ところが、ユナイテッド航空、デルタ航空やアメリカン航空などの航空会社、リフト、ウーバーやアムトラックは次々に、マスク着用は旅客が自由に選択できると発表しました。

またこの判決により、地方自治体の交通機関は、旅行者にマスク着用を義務付けるかどうかをそれぞれ判断することになりました。ワシントンポストによると、たとえば、ワシントンDC地域の公共交通機関はマスク着用義務を取り消しました。一方、シカゴ、ニューヨーク、フィラデルフィアの空港は、マスク着用義務を継続することを発表しました(※1)

※1 https://www.washingtonpost.com/travel/2022/04/20/question-travel-mask-mandate/

米国民の間でも「マスク着用義務の撤廃」は賛否両論

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マスク着用義務化の終了について、米国民の意見は分かれています。

カイザー・ファミリー財団の世論調査(2022年3月15日〜22日)では、「成人の10人に6人が、新型コロナ感染の急増を避けるために公共の場でマスクの着用を続けるべき」と回答しました。

特に支持する党派によって答えが分裂しました。民主党支持者は続けるべきという考えが強く(感染拡大を最小限に抑え、患者の急増を避けるため、一部の公共の場ではマスクの着用を継続すべき=85% vs. 通常の生活に戻るために、ほとんどの公共の場でのマスク着用をやめるべき=14%)、共和党支持者ははるかに少ないという結果になりました(同30% vs. 69%)。

また、重篤な健康状態にある人のほとんどは、義務付けは維持されるべき(同65% vs. 34%)と考えています。ワクチン接種を受けた人、つまり重病や死亡のリスクが最も低い人は、義務化の延長を支持する傾向が高いです(同67% vs. 33%。ちなみにワクチン未接種では、同29% vs. 67%)。

このような中、私は日本への一時帰国を終えて、2022年4月21日に米ボストンへと戻りました。成田国際空港からニューアーク・リバティー国際空港行きのユナイテッド航空の機内に搭乗すると、「先日、米国では機内におけるマスクの着用義務がなくなりましたが、この飛行機は、東京発なので、東京・ニューアーク間ではマスクのご使用をお願いします。ニューアークでのご着用はご自由です」という放送が流れました。つまり「マスクの義務は終わり」は米国内での声明であり、国際線は出発する国や航空会社の規則が適応されるようです。

そして乗り継ぎのニューアーク・リバティー国際空港に到着すると、マスクをすぐに取った人、そのまま着けていた人は半々くらいの割合でした。ところがニューアークからボストンへの国内線に乗り換えると、マスクを着用している人はほとんどおらず、着用者は約5%くらいでした。カイザー・ファミリー財団の世論調査のときより、さらにマスク着用を支持する人が減ったように感じました。

着用義務の撤廃で「感染再拡大」より懸念されること

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