
オリックス・吉田正尚
リベンジに燃えていた。吉田正尚が4月24日のロッテ戦(京セラドーム)で、20歳の相手先発・佐々木朗希から2安打を放った。
初回の第1打席で左安打を放つと、4回には四球を選んだ。5回二死三塁の好機では左中間に適時二塁打を放って、珍しく塁上でガッツポーズを見せた。
4月10日のロッテ戦(ZOZOマリン)では阪急時代を含めて球団史上初の完全試合を食らっていただけに、闘志を込めていた。
「打撃コーチからバットを少し短く、と。指ふた握り短く持っていこうと徹底していました」
前回対戦では吉田正も3三振を喫するなど、チームとして日本新記録の13者連続三振を献上する大苦戦。最終的に毎回三振を喫して計19三振を奪われた。走者を1人も出せずに、ゲームセットを迎えただけに、主砲も工夫を凝らしていた。
屈辱の敗戦時には「今日は完全に相手が上だった。(軌道と)接点がなかった。直球も対策しましたけど、フォーク待ちで(振りに)行っても、最後(バットが)出なかった。フォークがストーンと消える」と明かしていた。意地の2安打を放っても「やっぱり、150キロ後半っていうのは、自分が思ってる以上にもう1個早く(バットを)出していかないと追い付かないと感じました」とクールに振り返った。
悔しさを味わった日から2週間で微調整を施し、2打数2安打のマルチ安打を記録。これぞプロという技で、本拠地の京セラドームを沸かせた。
チームは5月13日に佐々木朗と今季3度目の対戦も、吉田正は新型コロナの陽性反応を受けて離脱。復帰後に訪れるであろう今季自身3度目となる“令和の怪物”との対決も、楽しみがふくらむばかりだ。
写真=BBM