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「わたしの何が分かるの」友人の望まぬ妊娠に、少女は思わず…

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、三上ミカン氏の書籍『拝啓、母さん父さん』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

【前回の記事を読む】母親の不倫に絶望するも…「私さえ黙っていれば皆幸せだから」

第三章

新人である私たちはカウンター越し、それも結構な距離があるので初めてでも安心して接客ができた。本名で働く子もいれば、源氏名をつける子もいた。私はスケバン刑事の主人公から名前を取って「サキ」にした。御通しを作って準備し、お酒の作り方を学んで準備は整った。

「いらっしゃいませ〜」

ママが扉の開く音に合わせて声を出す。続いて私たちも。入り口からカウンターまでは擦りガラスで仕切られていて、通路を通ってくるまで誰が入ってきたか分からなかった。

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「あら、田所ちゃんいらっしゃい」

男性がこちらに顔を覗かせた。

「りっちゃん、今日は新人さんが入るっていうもんだから早めに来たよ」

ママは律子という。ここではりっちゃんとの愛称で呼ばれていた。田所さんは地元では有名な地主だ。大きな屋敷がお店と私の家の間にあり、表札は田所だったのを思い出した。

「サキちゃん付いて」

指示された私は田所さんの前に立った。田所さんはどこか反町隆史を思い出させる容貌だった。あまり話さずにじっと私を品定めするかのように見ている。

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