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市立川越vs城西大城西

高校野球ドットコム

夏へ向けて、内容のある2試合で競り合った市立川越と城西大城西

1年生で気合の投球を見せた城西大城西・生明(あざみ)君

<交流試合:市立川越3-3城西大城西、城西大城西3-2市立川越>◇15日◇市立川越グラウンド

 この春の市立川越(埼玉)は、県大会では初戦でシード校の聖望学園を下し、準々決勝でもシード校の浦和実を下すなどしてベスト4に進出した。県内の公立校としては実力校ぶりを示して、夏のシード権を獲得して、四隅の一角を確保した。昨秋の新チームのタイミングで、前任の新井清司監督から引き継いだ室井宏冶監督としては、まずはいい滑り出しということではないだろうか。

 これに対して城西大城西(東京)は、1次ブロック予選代表決定戦で東海大高輪台に失策などが相次いで自滅気味な形で敗退して、本大会出場を逃している城西大城西。秋、春ともに本大会進出を逃したのは、山崎警監督になって初めてのことでもある。それだけに、これから夏本番へ向けての調整は、より厳しく取り組んでいかなくてはならないという意識にもなるというものだ。山崎警監督は市立川越の前身でもある川越商の出身でもある。それだけに、この市立川越と定期的に入れている練習試合は大事にしている。

 かつて、甲子園出場も果たしている城西大城西だが、一時は低迷期もあった。それが、近年では東京都内でも、関東一や二松学舎大附、東海大菅生といった上位校を追いかける存在の1つになり復活しつつある。ことに、今年のチームに関しても、山崎監督は、「ある程度は行けるだけの力はあるはずのチーム」と自信を持っていた。それだけに、本大会に進出できなかったことは残念でならなかった。

 そんな実力校同士の対戦だということを示すように、試合は2試合ともかなり質の高い内容の濃いものとなった。ことに、投手陣はいずれもテンポもよく、制球力もあり、打者も強い打球を放っており、それをしっかりと好守備で対処していくというものとなった。県大会ベスト8~16クラスの内容と言ってもいいであろう。

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 市立川越は藤井 七生投手(3年)、城西大城西は馬場 力也投手(2年)が先発した試合は投手戦となった。初回に城西大城西が失策で先制するが、4回に市立川越は1死満塁から併殺崩れで同点として、さらに6番浅井 祐輝内野手(3年)の適時打で逆転。5回にも二塁打で出た1番小武 海輝捕手(2年)を、続く内田 諒一朗外野手(3年)が左前打で本塁へかえしてリードを広げる。しかし、その裏に城西大城西は1死二塁で1番松本 耕大外野手(3年)が打った瞬間行ったかなと思わせるレフトへの2ランで同点とした。室井監督も、「あの打球はどこの球場でもホームランですね」と脱帽するくらいの会心の一発だった。「どうかすると、時々ああいうのがあるんですよ」と、山崎監督も感心しきりだった。前の2打席では、引っ掛け気味に内野飛球を打ち上げてしまっていたので、「無理しておっつけないで思い切って引っ張れ」とアドバイスしたのも効いたようだった。


市立川越・藤井七生君

 結局、その後は城西大城西はエース格の馬場が投げ切り、市立川越も7回までは藤井が踏ん張り、残り2回を左腕関盛 宏投手(3年)が投げ切った。関は代わり端、安打と四球で無死一、二塁とピンチを招いたものの、その後を冷静に抑え、9回も3人でしっかりと抑え切った。

 続く、2試合目は、城西大城西が初回に4番清藤 大生内野手(2年)の左越え2ランで先制する。清藤は2試合で4番を任され、7打数4安打で本塁打と二塁打2本と3本の長打をマークした。その一方で、無死一、二塁では送りバントもしっかりと決めていて、しっかりと役割を果たしていた。
 いきなり2点を追う市立川越だったが、その裏に1死二、三塁から4番鈴木 善外野手(2年)の右前適時打ですぐに同点としている。市立川越も、打つべき4番がしっかりと役を果たしたと言っていいであろう。

 試合としては、4回に城西大城西が無死満塁から6番笹野 陽介投手(1年)の中犠飛でリードして、そのリードを3人の投手が守り切った。しかも、その3投手はいずれも1年生ということだったので驚いた。先発の下郷 蒼太投手(1年)は初回に同点とされたものの、2~4回は走者は出してもしっかりと抑えた。さらに2人目の生明(あざみ) 京之介投手(1年)は、「うぉっ!」と声を発しながらの馬力の投球で3イニングを抑える。前の試合では6番三塁手として先発出場し、この試合でも、3イニングで降板後は指名打者として打順に入っていたように、山崎監督はその打力も評価しているようだ。そして、3人目は小川 璃巳投手(1年)で、柔らかいフォームで2イニングを内野安打1本で抑えた。この3人の投手は、山崎監督も、「7番センターで使った谷原(大翔外野手=1年)とともに、夏のメンバーに入ってくる可能性もある1年生」と考えている。

 埼玉県内でも公立校各校が、部員確保ではかなり苦労している中で、市立川越は今年も20人近い新入部員が集まっている。地域に支えられている市立校という立場もあるが、そんな中での競い合いも期待できそうだ。埼玉県に限らず、全国各地の高校野球の現場では、ことに有力私立校の間では有望中学生獲得合戦のような様相になっているのだけれども、市立川越としては、「ウチでやりたいという子を、3年間でしっかりと育てて行って送り出していく」という方針は変わらないという。また本来、高校野球というのは、そういう形が中心だったのではないだろうかとも思う。それだけに、市立川越のグラウンドにはいい意味での昭和の高校野球名残もあるような感じもした。室井監督も、春のベスト4はそれはそれとして一つの今季のチームとしての自信としながらも、「これから1カ月半でもっと精度を高めていく」という思いで取り組んでいく。

 また、守備から指名打者になるなどの、ややこしい選手交代もあったが、市立川越の女子マネジャーたちは無難にこなしていた。このあたりも、高校野球のいい雰囲気を感じさせてくれた。

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