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「隣に基地」今も変わらず=世界自然遺産の「やんばる」―地位協定も壁・沖縄復帰50年

時事通信ニュース



「やんばる(山原)」と呼ばれ、貴重な動植物の宝庫として知られる沖縄県北部。昨年、世界自然遺産に登録され、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の舞台にもなったが、すぐ隣には50年前の本土復帰前から米軍の北部訓練場があり、ゲリラ戦を想定した訓練が行われている。日米地位協定の壁もあり、周辺住民は今も米軍機の騒音や残された廃棄物に悩まされている。
北部訓練場は1957年、米海兵隊の訓練場として使用が始まった。現在は海兵隊のほか、陸海空軍の各部隊の対ゲリラ訓練施設として使われている。96年に日米両政府が部分返還で合意したことを受け、2016年には半分以上の約4000ヘクタールが返還された。返還面積は本土復帰後で最大規模だったが、残る区域には代わりにヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)が建設され、地元集落の上空には米軍ヘリが飛び交う。
防衛省沖縄防衛局によると、ヘリパッドに近い東村高江地区では昨年度だけで、鉄道の車内と同程度とされる70デシベル以上の騒音を約1600回記録した。仲嶺久美子区長(71)は「やんばるは夜は虫の声が聞こえるほど静か。その分、音の響きが体感では倍に聞こえる」と説明。夜間や早朝にも低空飛行が続いているといい、「何度言っても同じことの繰り返し。変わらない」とため息をつく。
返還後に世界自然遺産に編入された地域からは、米軍のものとみられる空砲などの廃棄物もたびたび見つかっている。しかし、地位協定では米軍に跡地の原状回復義務はない。県は昨年、廃棄物の調査や撤去を国に要請した。
米軍基地に関わる環境問題の調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト」の河村雅美代表(56)は、跡地の調査や処理が米軍の裁量で決まってしまうことが問題だと指摘。復帰50年の節目にも「実際には騒音や自然破壊の問題が残ったまま。(盛り上がりが)沖縄が抱えている問題を見えなくさせてしまうのでは」と懸念を示した。

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