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【小説】新手の詐欺か?宛名のない白い封筒に入っていたもの

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、水木三甫氏の書籍『「本当の自分」殺人事件』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

のぞみの結末

高沢淳美が朝食を作り終えると、それを待っていたかのように夫の光彦が2階から降りてきた。

「おはよう」

「あなた、おはよう」

食堂の時計はちょうど6時を指している。いつもと同じ時刻。それでも夫が2階から降りてくると時間を確かめてしまうのが、いつからか淳美の習慣になっていた。

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淳美は淡い水色のエプロンで濡れた手を拭くと、小走りで玄関に向かう。まだ朝早いというのに日差しがすでにまぶしい。郵便ポストから新聞を取り出し、食堂へと戻る。今朝も新聞と変わらない厚さのチラシがはさまれている。淳美はチラシだけを抜き取り、食卓の光彦へ新聞を手渡す。

光彦はトマトサラダを食べながら、新聞をゆっくりと読み始める。聞こえるのはフォークと食器のぶつかる音、そして新聞をめくる音くらい。新婚当初は楽しい会話で満ち溢れていたはずの朝の食卓も、今では静けさに支配されていた。

(3年も一緒にいれば、どこの夫婦もこんなものなのかな。それともやっぱり……)

夫が食事をしている間、淳美は向かいの椅子に腰かけて、チラシの束を一枚一枚はがすように眺める。スーパーの安売りチラシに近所の美容院の開店の案内、マンションや墓地の販売用ダイレクトメール。いつも同じようなものばかり。そう思いながらもすべてに目を通す。これも淳美の日課になっていた。

(毎日の決まった儀式のようなもの)

しかし、一通の手紙がそんないつもの習慣を破った。

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