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人工肉最前線。空気をタンパク質に変えて作る肉「エア・ミート」

カラパイア


image credit:Air Protein

 従来の食肉に代わる代替肉は、森林伐採や工場畜産、炭素排出のない食料源として環境に多くの利益をもたらすとして、近年複数の企業がその開発を進めている。

 サンフランシスコのベリエリアを拠点とするスタートアップ企業『エア・プロテイン(Air Protein)』は、リサイクルされた二酸化炭素をタンパク質に変える微生物を利用して、ステーキなど本物の肉の味と食感を再現する代替肉「エア・ミート(Air Meat)」を開発した。



Air Protein: Founder Dr. Dyson – We Make Meat from Air

空気から作る代替肉「エア・ミート」

 農林業は、世界の温室効果ガス排出量の約24%を占めており、肉や乳製品の需要が増加するにつれて、2050年までにその割合は80%も増加すると予測されている。

 家畜動物の中で、特に牛はメタンガスの最大の発生源であり、排出量の約4分の1を占めているという。

 大量の畜産と、地球への影響に対する環境問題の高まりにより、より多くの企業が代替肉の開発を競っている。

 そんな中、カリフォルニア州の企業『エア・プロテイン』は、文字通り空気をタンパク質に変換し、メタンガスの放出や農業に有害な影響のない代替肉「エア・ミート」を開発した。

image credit:Air Protein

NASAの技術がヒントに

 同社の革新的なアプローチは、1960年代にNASAが実施した、二酸化炭素を宇宙旅行用の食品に変換するという研究にインスパイアされたという。

 研究者らは、ハイドロゲノトロフ(hydrogenotrophs)という微生物が水とエネルギーとに組み合わされた時、二酸化炭素をタンパク質に変換する可能性があることを発見した。

 同社はこれと同じプロセスを利用し、エア・ミートを製造。微生物は、太陽エネルギーと風力エネルギー、水素と酸素および補足された産業排出物を動力源とするバイオリアクターで増殖する。

 バイオリアクターは生体触媒を用いて生化学反応を行う装置だ。

 その後、たんぱく質を精製、乾燥すると、“エア・プロテイン”と呼ばれる小麦粉のような物質になる。これが、肉の食感と風味を作り出すレシピの材料として使用されるというわけだ。

image credit:Air Protein

タンパク質が豊富で植物由来の肉より優れている

 同社創設者でCEO(最高経営責任者)のリサ・ダイソンさんは、このように述べている。
空気の要素は、培養物と一緒に泡立てられて、たんぱく質を生成します。これは、ビールやパンの発酵プロセスや、ヨーグルトやチーズの製造方法と同じです。

この方法は、他の植物由来の代替肉または従来の肉生産よりも速いスピードで製造することができ、食糧不安の解決策になる可能性もあります。

また、植物由来の代替肉は原料に大豆やえんどう豆などのたんぱく質を用いますが、その豆を育てるのに必要な土地と水の1000分の1で済むため、自然環境への悪影響を抑えられます。

それでいて、エア・ミートはどの肉よりもキログラムあたりのたんぱく質量が多いのが特徴です。本物の肉と比較して、大豆やホルモン、農薬や除草剤、遺伝子組み換え生物は含まれておらず、ビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富です。


image credit:Air Protein

持続可能な肉の未来を目指す

 同社では、従来の肉を口にする人でも好きになる代替肉を作ることが、今後の大量生産を促進する主な課題になると述べている。

 現在、スーパーの棚にある本物の肉と同様のオプションを作成する方法を改良中だ。
当社は、気候と熱帯雨林にやさしい肉の世界への移行を加速するという使命を持っています。

同社のたんぱく質生産は、はるかに少ない炭素を排出し、土地や動物を必要としません。

肉を食べる人にも愛してもらえるよう、環境にやさしい選択ができる味や食感、栄養の結果を提供し、世界初のカーボンネガティブな食肉会社となることを目指しています。(ダイソン氏)
 美味しく、栄養的に進歩し、地球上で最も持続可能な肉を作り出すことこそが肉の未来だという同社は、将来的には空気回収装置を使用して、空気から直接二酸化炭素を除去する方法を取り入れることを計画しているということだ。

References:Believe or not, this new vegan meat is made from air / written by Scarlet / edited by parumo

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