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宇宙人と遭遇するにはあと40万年かかる、新たな論文が発表される

カラパイア


 宇宙は無限に広がっており、無数の星々が散りばめられている。どこかに宇宙人がいてもおかしくなさそうなのに、なぜ彼らは見つからないのか?

 この疑問を「フェルミのパラドックス」という。これに関連し、ある科学者は「地球外文明を持つ宇宙人から連絡をもらうには、人類はどのくらい待たねばならないのか?」と問う。

 『The Astrophysical Journal』(2022年4月4日付)に掲載された論文によれば、その答えはあと「40万年」だそうだ。

 ホモ・サピエンスが登場したのは少なくとも30万年前、農耕が始まったのはほんの1万2000年前のこと。それだけの歴史しかない私たちにとってかなり長い時間だ。

地球外文明の研究が難しい理由

 地球外文明の研究が難しいのは、データが限られているからだ。なにしろ文明の存在が知られているのは、唯一この地球だけだ。

 それでも厳格な科学のガイドラインに沿った思考実験で、科学者たちはこの疑問に取り組んできた。例えば2020年の研究では、天の川銀河には、地球外知的文明が36個存在する可能性が高いと結論づけている。

 「地球人が宇宙人から連絡を受け取るまでどれだけ時間がかかるか?」という疑問は、この宇宙に存在する地球外文明の数と関連している。

Photo by Marat Gilyadzinov on Unsplash

ドレイクの方程式も完璧ではない

 天の川に存在する地球外文明の数を推定するには、「ドレイクの方程式」を使えばいい。これは銀河系に人類とコンタクト可能な地球外文明がどれだけ存在するのか推定する式だ。

 ただし、ドイレイクの方程式は完璧なものではない。今の時点ではいくつもの仮定に基づかねばならず、導かれた答えは不確かだ。

 ドレイクの方程式は計算式というよりも、思考実験のようなものであることに注意してほしい。

 ゆえに地球外文明がいくつあるのか、科学的に確かな答えはない。これに答えるには、まだまだ知識が足りない。

 この類の研究は、現在進行形の会話のようなものだ。それでも、その積み重ねは、私たちの文明の背景について考える手助けになる。

photo by Pixabay

どうして40万年後なのか?

 地球外文明の数がわからないというのに、どうやって40万年に宇宙人と遭遇するという答えが導き出されたのか?

 例えば、天の川銀河に36個の地球外文明があると推測した先ほどの研究は、銀河形成の歴史、金属の分布、恒星がハビタブルゾーンに地球型惑星を持つ確率などから推論した。

 この論文がはっきり断っているように、36という数字は仮説の域を出ない。

 と同時に、文明が誕生する確率についてもっともらしく推定する、”論理的な仮定”に基づくモデルを作ることはできるとも主張している。

 今回発表された、北京師範大学の研究もそのような考え方を踏襲しており、ほとんど理解されていない2つのパラメーターを扱っている。

 まず1つは、居住可能な地球型惑星で誕生した生命が文明にまで進化する確率だ。もう1つは、地球外文明が誕生するまでに、恒星はどのくらい歳をとるかという点だ。

 生命が誕生し、地球外文明にまで進化する確率を fc とし、それまでに経過する恒星の寿命を F とする。

 そして、ここに当てはまるもっともらしい数値を、モンテカルロ法でシミュレーションする。こうして「楽観的なシナリオ」と「悲観的なシナリオ」が導き出された。

photo by Pixabay

楽観的シナリオと悲観的シナリオ

 楽観的なシナリオでは、fcを0.1%、Fを25%と仮定している。

 つまり地球型惑星に地球外文明が登場する確率は0.1%。また地球外文明が登場した時点で、恒星の寿命は25%過ぎているということだ。

 この楽観的シナリオでは、天の川に4万2000の地球外文明が存在すると推定される。たくさんあるように思われるが、同時期ではなく、銀河の生涯のさまざまな時期に存在するなら決して多くはない。

 この場合、あと2000年もすれば地球外文明から連絡があると考えられる。

 楽観的シナリオでは、宇宙が生命にやさしく、暮らしやすい場所と想定されている。

 この想定が正しいのなら、宇宙のどこかでは地球外文明同士がすでにコミュニケーションを交わしており、地球人は仲間に入れてもらうだけでいいかもしれない。

 お次は悲観的シナリオだ。

 こちらではfc = 0.001%、F = 75%と仮定する。地球外文明が誕生する可能性はずっと低く、またその頃には恒星はかなり歳をとっている。

 この状況で、天の川に存在するだろう地球外文明はたったの111個。それらのいずれかとコンタクトするには、地球人はあと40万年待たねばならないことになる。

photo by Pixabay

宇宙人が地球にたどり着く為に越えなければならない難関

 ここでもう1つ考慮せねばならないのが、「グレートフィルター」だ。

 グレートフィルターとは、宇宙人が仮に存在するとしても、恒星間空間に進出し、地球にたどり着くための進化や技術発展に到達するまでの難関のことである。

 「文明の寿命は自己限定的」と言われることがある。人口問題、核戦争、温暖化など、せっかく誕生した文明は、自らの首を締めて滅亡しうる。

 地球の文明も、地球外文明からの連絡を受ける前に滅亡してしまう可能性だって十分にある。

Photo by Kace Lott on Unsplash

それでも考えずにはいられない、未知との遭遇

 また今回の研究グループが述べているように、fcとFの数値はかなり不確かだ。それゆえに、他の同じテーマを扱った研究と同じく、今回のものも思考実験として捉えた方がいい。

 「宇宙人と遭遇するまで、あとどれくらいかかるのか?」それでも私たちは、この問いを探求せずにはいられない。それが地球人の本質なのである。

 我々地球人は、宇宙人と遭遇することがあるのか? おそらく今生きている人間のほとんどが、その答えを知ることはない。

 まず、どこかに地球外文明が地球文明と同時期に存在し、どうにかしてコミュニケーションを交わさねばならない。

 たとえ地球に文明があると気づいた地球外文明があったとしても、グレートフィルターの難関を越える前に、自然災害などによって滅亡してしまう可能性もある。

Photo by Brian McGowan on Unsplash

 地球人は長く存続するかもしれない。きっと地球はもう住めなくなって、火星などに移住せざるを得なくなる。もし私たちの子孫が地球で文明の名残を見つけたら、それは地球外文明と言えるだろうか?

 地球人はさまざまな困難に直面しているが、私たちは地球外文明ならそれを克服できると信じたがる。だが、はたしてそれは本当だろうか?

 最初に発見された地球外文明が、かつては偉大だったが今では落ちぶれているなんてことだってあるかもしれない。

 それは誰にもわからない。そもそも私たち自身がグレートフィルターによって、答えを知ることなく滅んでしまう可能性もある。

 だが、人類が希望と情熱を抱き、生き続けるために夢が必要であるのなら、地球外文明とのコンタクトがそれなのかもしれない。

References:The Number of Possible CETIs within Our Galaxy and the Communication Probability among These CETIs – IOPscience / Humanity May Not Hear From Aliens For 400,000 Years, Scientists Say / written by hiroching / edited by / parumo

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