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雰囲気だけでも外国を感じたい──海外旅行好きゲーマーに贈る異文化体験シミュレーション3作品

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雰囲気だけでも外国を感じたい──海外旅行好きゲーマーに贈る異文化体験シミュレーション3作品

2022年もほぼ半分が過ぎようとするなか、いまだ一般人の海外旅行は陰性証明や直前のPCR検査が必須の国も多く、かつてのように気軽に行けない現状です。そんな中、Game*Spark読者のみなさまは大型連休をいかがお過ごしでしたでしょうか?規制が緩和されたハワイは旅行欲に飢えた人々が殺到し、ゴールデンウィーク中ほとんどのフライトが満席だったんだとか。かくいう筆者も2019年2月に香港旅行を予約・支払い済みでしたが、コロナの急速拡大により全額返金キャンセルに。その時とった5年パスポートが使えるうちに海外に行けるのか、やきもきしている一人です。

しかし、海外には行けなくてもせめて異国文化を感じたい。そんな読者のために東ヨーロッパ・アジア・北米と異なる3タイプのカルチャーを疑似体験できるシミュレーションゲーム、3タイトルを今回は紹介していきます。


ロシアの郊外のライフスタイルを味わえる『Survive In Russia』

『Survive In Russia』は、モスクワやサンクトペテルブルクといった華やかな主要都市とは違う、ロシア中部のありきたりな街を舞台に、平凡な一市民として日々生き残るための選択肢を迫られるという、ややダークなシミュレーションタイプのADVです。

選べるキャラクターは老教師・医師・青年実業家の3人。基本的には自宅と職場を往復するだけの生活ですが、そこで起きるあらゆるできごとにプレイヤーは選択を迫られ、物語が展開していきます。

善良だが、ただ善良なだけで幽霊のように存在感がうすく、誰の尊敬も得られない67歳教師Filatov。彼は勤務先の学校で目撃した生徒同士のイジメと暴力にどう対応するべきか?ソヴィエト時代からある市立病院に就職した熱意ある外科医Pankoは、汚職まみれの陰鬱な病院で医師としての正義を貫くべきか、それとも保身を考えるのか…?

行動を選択するたび「Health」と「Happiness」が減るため、青空市場で食料品、音楽CDや書籍を購入し、心身ともに健康を保たねばなりません。選択の結果が吉と出れば所持金はグっとアップ。カジノで一攫千金を狙うことも可能です。

開発自らゲーム概要に「ロシア大都市の外での生活は、ヨーロッパの明るく楽しいイメージとはほど遠いです。落胆と果てしない憂鬱がある、生き残ることだけが目的の場所で、ロシアのライフスタイルを感じてください」「ゲーム終了後の憂鬱は保証付き」と書くだけあり、3人ともとにかくロクなことが起きない人生です。本作を通じて学んだことは「人を見たら泥棒と思え」「騙されるより騙す人生の方がマシ」といったところでしょうか。

9つのマルチエンディングが用意されており、早ければ1回5分であっさり終了。長くても20分前後なので再プレイは気軽にできます。全エンディングを見るのもそう難しくはないでしょう。

言語はロシア語と英語対応のみ。老教師のシナリオは比較的簡単かつ短い英文ですが、医師と実業家は組織ぐるみの汚職や裏切りといった深めのストーリーのため、英語が苦手という方にはちょっとおすすめしづらいタイトルではあります。ロシアのリアルライフを覗き見したいなら、「ゲーム終了後の憂鬱は保証付き」を踏まえたうえでどうぞ。

なお、小難しい話は抜きにして、普通の日本人目線で見たロシア(および旧ソ連)の日常を知りたいという方には書籍「モスクワの新人類たち―誰も書かなかったソ連の高校生活」(著・曽根 真由理)、「ロシアは今日も荒れ模様」(著・米原 万里)などが入門編としてお勧めです。

より優れた遺伝子を一族に残すための受験戦争が始まる、中国人人生シミュレーション『Chinese Parents』

『Chinese Parents』はごく普通の家庭に生まれたプレイヤーが、一流大学への入学を目指す中国人人生シミュレーションゲームです。才能を伸ばし、親の期待に応え続け、学業優秀・品行方正で完璧な子供をひたすら目指し続ける、という内容ですが、開発元のコメントを見る限りどうやら「中国人あるある」なライフスタイルの様子。

ミニゲームで特定の能力値を伸ばす、お年玉をためて娯楽アイテムを買ったり、時には同級生との恋愛めいたイベントなどコンテンツとしては盛りだくさんというか、ちょっと忙しすぎるきらいもあります。

ゲームシステムは日本の『プリンセスメーカー』シリーズにかなり近く、生まれたての赤ん坊の時からハイハイやおしゃべり、シーソー遊びといった“カリキュラム”を1週間ごとに組み能力値を伸ばしますが、あまり詰め込み学習しすぎればストレスでダウンすることも。

親や親族、友達との関係性などランダム要素も激しく、思い通りの優等生を育てるのはけっこう難しいです。

中国は日本以上に過酷な受験戦争で知られています。中学と高校で行われる全国統一試験でふるいにかけられ、結果いかんでは大学進学はほぼ無理。将来、社会的地位の高い職業に就くのは難しいとレッテルを貼られてしまうんだとか。

『Chinese Parents』でも両親はまだ幼児のプレイヤーに多くを望み、受験のたび「名門校への進学」が目標として掲げられます。これだけなら日本の“お受験戦争”でも珍しくないでしょうが、受験の妨げになると中高生の恋愛は保護者・教師が別れさせるケースも目立ち、中国の若者の間では高校生活を「監獄」に例える声もあるんだとか。

2021年7月には中国政府が出した事実上の「宿題、学習塾禁止令」が波紋を呼び、いよいよ中国でもゆとり教育か!?などと言われています。『Chinese Parents』は2018年9月発売ですので、今の中国とは少し違う教育を再現したものと言えるでしょう。

一応、高校生らしい同級生との恋愛要素も用意されてはいますが、とにかく受験に向けた高得点獲得に忙しく、筆者はいちども友人以上の関係にはなれませんでした。

大学受験というゴールの後、プレイヤーキャラクターはやがて結婚し、その能力値の一部を次世代の子供に引継ぎプレイが可能です。結婚相手も秀才エリートならば夫婦二人分のボーナスポイントを獲得。我こそは天才児を一族に生み出せると思う方は、ぜひ挑戦してみてください。

アメリカン・カルチャーをあらゆる角度から味わえる『The Sims 4』
エレクトロニック・アーツが発売する『ザ・シムズ』シリーズ最新作にあたる(とは言え発売は2014年)『The Sims 4』は、“シム人”を操作する生活シミュレーションゲームです。シムごとに人種・年齢・性別に加えて性格や好き嫌い、人生の願望やら行動欲求といった多彩な要素が設定されており、気ままな行動をとることも。日常生活から恋愛、出産まですべてを細かく指示し、絵にかいたようなエリート人生を歩ませるもよし。シム気分にまかせ、ただ彼らの人生の成り行きを観察するもよし。その圧倒的自由度から第一作『シムピープル』以降、世界中にファンを抱える大ヒットシリーズです。

なにごともオーバーアクション気味なシムたちは「フレンズ」や「フルハウス」などシットコム(シチュエーションコメディ)と呼ばれるジャンルの米ドラマが好きな人なら、ハマること間違いなし。映画や米ドラマを通じてイメージする「アメリカっぽい空気」を味わえるタイトルです。

シムの食生活を通して初めて知るレシピが多数
シムはスキルを上げると、数十種類の多彩な料理を作れるようになり『ザ・シムズ』シリーズを通して初めて見聞きする料理も多く、どれも美味しそうに見えるんですよね……。アメリカでは定番の「グリルドチーズサンド」はじめ、『The Sims 4』には「パンデムエルト」「ブリガデイロ」「フィッシュタコス」「ポンデケージョ」などなど各国の料理が登場。やたらホームパーティ、スペシャルディナー、自宅BBQを開きたがるシムが多いところも外国の香りを感じます。

先述の通り、シムたちは喜びも悲しみもオーバーアクション気味。謎の“シム語”を使いこなし、べらべら喋りまくる姿は見ていて飽きません。特に豊富なのは恋愛関係の感情表現。さりげなく好意をチラつかせたり、セクシーポーズで気を引いたり、愛のセレナーデを歌うわ、情熱的なキスを迫るなど、相手との関係が深まるほど選べるコマンドは豊富に。ひとたび浮気がばれると、自宅も職場も問わずに怒れるパートナーが乗り込んできて大喧嘩になるあたりは、アメリカというよりラテン系カルチャーを感じますが。

筆者のシリーズ初プレイは『The Sims 2』(2004年9月発売)からですが、同性シム同士の恋愛・結婚が可能なことに当時は「海外のゲームって感じだなぁ~」と感心したものです。今時のゲーマーにとっては何を当たり前なことを…と呆れられそうですが、電通の調査によれば「LGBTという言葉の認知度について、2015年で37.6%。LGBT以外の性の多様性については、約8割の人が言葉自体も聞いたことがない」という時代背景もあるのでご容赦を。

また、未成年の性的描写に厳しいのもアメリカらしさと言えるでしょう。シムズシリーズでは子供&若者は大人世代のシムと友達にはなれても、決して恋愛関係にはなれません。ティーンエイジャー同士の恋愛は可能ですが、交際しても「イチャイチャする」「キス」止まりでそれ以上の関係は無し!しかしシムが大学生になれば(有料拡張パックが必要)たちまち、大人シムとの恋愛解禁へ。大人と子供の線引きが年齢できっちり引かれています。

前作『The Sims 3』の大学には、大学生シムと教授を恋愛関係にすれば授業に出席せずともじわじわ成績が上がる隠れシステムがありましたが、いまならアカデミックハラスメントとして大問題になったはず。さすがに『The Sims 4』でこの機能はありません。正直、シム人の熱愛シーンがそこまで生々しい描写かと問われると疑問なのですが、「公共の場所でウフフなことをする」などもカットされ、“全年齢に対してより超健全”なゲームに仕上がっており、個人的になんとなく文化の違いというより、時代の変化を感じてしまいました。


ここまで、海外の空気が味わえるができるゲーム3タイトルを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
再び気軽に海外旅行ができる日が来ると信じて、それまではゲームの異文化疑似体験で旅行欲を少しでも満たしてみてください。



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