各都道府県の「最低賃金」は?
各都道府県の「最低賃金」は?
労働報酬の保障、最低賃金は都道府県など自治体によって定められていることはご存じですよね。企業が働き手に支払わないといけない最低限の賃金(時間給)で、毎年見直しが行われています。

2018年10月から実施される新しい最低賃金の動向について、調べてみました。

●最低賃金ベスト5とワースト5は?

 2018年の最低賃金は8月に発表されています。全国平均は、昨年より26円増の874円。過去最大の引き上げ幅として話題を呼んでいます。

 まず、高い順に見ると、東京985円、神奈川983円、大阪936円、埼玉と愛知898円がベスト5です。全国平均874円と言いましたが、それを上回るのは、この5都府県のほか、千葉895円、京都882円の2府県しかありません。

 実際に厚生労働省の審議会では、都道府県をA~Dランクの4段階に分け、27~23円の目安を示しています。それに基づいて、各地の審議会で決定されたのが、この額です。
 
 低い順では、鹿児島761円がワーストですが、その後に青森、岩手、秋田、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、沖縄の11県が762円で並びます。ちなみに763円は山形、764円は島根、愛媛。以上15県に772円の福島を加えた16県がDランクに数えられています。

 おおむね10月1日からの切り替えになりますが、静岡・岡山・沖縄は3日、青森・奈良・佐賀は4日、鳥取・宮崎は5日、群馬・長崎は6日と微妙にばらつきがあるので、ご注意ください。

●地域間格差、15年前や30年前はどうだったのか?

 都道府県の最低賃金表を見ていると、「地域間格差」の問題が大きく浮上してきます。最低賃金1位の東京と47位の鹿児島の時給を比べてみると、その差は224円に上ります。1日7時間で20日働くと、31,360円もの差が生じるのです。

 たとえばマクドナルドのような全国チェーンのお店で同じ労働をしていたとしても、月に3万円以上の格差です。この差は昔からあったのでしょうか。厚生労働省が公表している「地域別最低賃金の推移」(昭和53~平成15)を参考に、15年前と30年前の様子を現在と比較してみましょう。

 平成15(2003)年、東京の最低賃金額は708円でした。同じAランクの神奈川は707円、大阪は703円。Dランクとされている県では605円から611円の数字が並びます。東京と鹿児島の差は103円ですから、1日7時間で20日働いた場合の差は14,420円でした。

 平成元(1989)年の最低賃金額を見ると、東京は525円、鹿児島は446円でした。東京と鹿児島の差は79円。1日7時間20日働いた場合の差は11,060円だったのです。

 最低賃金格差の推移を割合で表すと、平成元年85%、平成15年85.5%と、そう変わりはありません。今回改定された東京と鹿児島の格差を同様に計算すると、77.3%の数字に驚かされます。

●今後の傾向と対策は?

 2018年の最低賃金を報じたメディアでは、日本経済新聞が「深刻な人手不足が続き、地方から賃金が高い都市部へ若い働き手が流れる傾向に拍車がかかっている。人材の流出を懸念する地方で格差を縮める動きが顕著になった」と、まとめています。また、朝日新聞デジタルでは、「近隣県より低い印象を回避」と見出しをつけ、地方の努力を際立てています。

 働き手の流出は、地方にとっては大問題。2017年3月に決定された「働き方改革実行計画」でも、「年率3%を目処」とし、「名目GDP成長率にも配慮」しながら「全国加重平均1,000円を目指す」よう指導がなされています。

 このままでいくと、東京と神奈川では2019年にも「最低賃金(時給)1,000円」が実現することになります。働き手にとってはうれしい反面、中小企業の経営者にとっては「時給1,000円」は痛い出費。深刻な労働力不足と地方消滅の危機が予測されている昨今、最低賃金の動向からは目が離せません。

<参考サイト>
・厚生労働省:必ずチェック最低賃金
https://pc.saiteichingin.info/
・厚生労働省:地域別最低賃金額及び引上率の推移
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/12/s1202-3h.html
・日本経済新聞:最低賃金26円上昇 800円以上は28都道府県に拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34052900Q8A810C1EA3000/
・朝日新聞DEGITAL:最低賃金、目安額超え23県 近隣県より低い印象を回避
https://www.asahi.com/articles/ASL8B44QXL8BULFA00P.html

(更新日:2018年10月10日)

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