結成21年のTHEイナズマ戦隊が自らへ送る“自分賛歌”を語る
結成21年のTHEイナズマ戦隊が自らへ送る“自分賛歌”を語る
結成21年目の40代バンドTHE イナズマ戦隊が9月19日に14枚目のシングル『My Generation』をリリース。作詞を担当しているボーカルの上中丈弥さんに”自分賛歌”を言われる新曲の内容についてお話を伺いました。

『My Generation』は自分賛歌


──本日はよろしくお願いします。THEイナズマ戦隊のライブに来る方は大人の男性が多いと思っていたのですが、若い女性もいらっしゃるんですよね?

上中丈弥:そうですね、自分で言うのも変な感じですけど、女性も多く来てくださっています。

──皆さんのどんなところが若い女性に響いていると思われますか?

上中丈弥:分からへんな〜!でも、昔からラブソングとかよりは日常にあることを歌っているんですよ。きっと日常にある当たり前のことを歌っているから、当たり前のように生きている人たちに響いてるんじゃないかなと思うんですけどね。


──最新シングル「My Generation」は、大人だから共感できる歌詞が多くありましたが、10代にも聞いてほしい一曲にも感じました。この曲を書き始めたきっかけは、何かあったのですか?

上中丈弥:『My Generation』は、自分たちが自分たちに捧げるというか、21年もやってきた自分たちを誇るような気持ちで書いた曲です。

きっかけはいろいろあるんですけど、20周年のライブを今年5月に日比谷の野外大音楽堂でやった時、本当にたくさんの方に集まっていただいて。そこで見えた景色で長く続けてきたんだっていうことが明確に分かったんですよ。

そこで、今回どんな作品を書こうか考えたときに、“ここまでやってきたことをまず自分たちが良かったと思わないと、前に進めないし。自分たちが胸を張って歩かないと、ついてきてくれたファンに申し訳ない。”って思ったんですよ。あとは、21年やっているとメッセージソングは死ぬほど書いてきているんで、“思い切って自分たちが俺たちバンザイ!という曲を全力で書いてやれ”と思ったのも一つありますね。


──今までファンの方や誰かを思って歌われる曲が多かったけれど、今回は自分たちへと。

上中丈弥:そうですね。今まで仲間の歌とか結構多いんですけど、「どういう思いで書いたんですか?」とか「誰に捧げたいですか?」とか聞かれ続けて、、もうそんなの知らんよ!」となってました (笑)。その時々で誰かを思って書いてきたし、たまには自分たちが自分たちに捧ぐ歌を書いても良いかなと。


──逆にファンの方が一緒に『My Generation』を歌ってくれたら、ファンからTHEイナズマ戦隊に贈る賛歌になりますね。

上中丈弥:ね!この歌を聞いて、俺たち・私たちもまだまだやるしかないなと思ってくれたら、それは最高やし。聴く人のためじゃなく、俺たちが俺たちのために書いた曲が、届いて聴いた人のチカラになったらすごく嬉しいです。


──なるほど。曲に関しては、サビのメロディーがまさに“10代の青春”が溢れている感じがします。

上中丈弥:そうですね。分かりやすい感じですよね。


──こういうふうに聞こえさせる音楽的なコツみたいなものがあるんですか?

上中丈弥:今回は特に、なるべく同じギターリフ、同じギターの進行で曲を作ろうというテーマがあって。そこに好きな言葉をぶつけるような気持ちでAメロを歌っていく。サビは分かりやすいメロディーということを意識してこのメロディーが出来上がりました。


──ということは歌詞より曲を先に書かれるんですか?

上中丈弥:僕らはいつも曲が先。


──そうなんですね。そしてやっぱり、間奏のギターソロはカッコイイです!

上中丈弥:ロックバンドやから! 4人の顔が際立って、かっこいい一つの塊として見られたいという願望があるんですよね。(笑)だから、間奏ではギターソロで“ガッ”といってもらってという。


──ロックバンドと言っても、ギターソロのパートが全然ないことも多い時代ですからね…。

上中丈弥:例えばCMタイアップが決まったから15秒のサビから派生させていくっていう作り方をしてる場合もあるけど、。僕たちみたいな古いバンドは、やっぱりギターソロがかっこいいと思ってるから。


上中の前向きな姿勢が現れた歌詞



──『My Generation』の歌詞にある「されど陽がまた背中を押すんだ」というフレーズに込められた思いについて聞かせてください。

上中丈弥:ここの表現は、たとえ悲しいことがあったり、暗い気持ちで一日の幕を閉じても、また陽は昇る。悲しい思いをしていても、それを背負って歩いていかなあかんのやったら胸を張っていこうぜという思いで書きました。陽が昇って背中を押してくれているということですね。


──今のお話だと…上中さんはあまり日をまたいで1つのことで落ち込むようなことはないですか?

上中丈弥:ぜんぜんないですね。悩むだけで解決することはあまりないと思っていて。悩んで解決するなら悩むけど。たぶん解決せぇへんから。しゃあないなと受け止めて前に進むしかないなと、思っちゃうほうなので。


──受け止めて前に進む、ですか…。

上中丈弥:例えばCDが売れないとか、悩んで答えが出るようなことではないんですよ。僕はそう思っていて。それであれば、バンドをやり続けることで、自分たちの存在を証明していくしかないんですよ。やり続けて、やり続けて、かっこいいライブを見せ続けることこそが自分たちの存在証明になるから。そこにこそ答えがあるんじゃないのかなと思っています。


──なるほど。話が脱線しますが、特に今なんてCDが売れない時代だし、音楽を続けることも難しいことだし。若い世代は売れる方法を考えてるうちに自分の音楽の軸を見失うことも…。

上中丈弥:うーん。今の若い子たちは、いろんな情報があって、いろんなものを自分の武器にできる時代やし。僕がデビューしたときはYouTubeすらなかったですから。
自分のことを信じて、とにかく歩み続けるということしかなかったんですよ。今は立ち止まってもいろんな情報が手に入るから。音楽を辞めるっていう選択肢もあるのかもしれないですね。
どっちにしろ、音楽をやり続けることはしんどいですよ。楽なことはないです。でも、これが楽しいから困ったもんですよね。


──ありがとうございます。そこに通づるかはわからないですけど、『My Generation』の「ポンコツばっかのさばって ガラクタばっか積んでいる」というフレーズについても、ここに込められた想いを伺えますか?

上中丈弥:僕、今年40歳なんですよ。40歳にもなると、いろんなことが見えてきて。「ポンコツばっかのさばって ガラクタばっか積んでいる」“そんな大人多くないですか?”という嫌味を込めてます。
あるでしょ?どうにもできへんことなんやろけど、こんなのまかり通るの?みたいなこと。そんな奴はいずれメッキははがされるやろうし。僕たちロックバンドが音と言葉を使って蹴散らしてやろうという思いも込めて書きました。


『My Generation』のピックアップフレーズ


──では、『My Generation』の歌詞で、ご自身が一番気に入られているフレーズを教えてください。

上中丈弥:そうやなあ…。「これが10代青春の叫びなら 美しく共感を誘うだろ だけども俺達は40代だ それでもバッテリーはまだまだビンビンだってよ」ここかな。これが好きかも。

僕がデビューしたときは23歳で、40代になって自分がバンドをどんな感じでやっているか、全く想像はできていなかったですけど。多少見え方も変わるし、いろいろ背負うものも増えるし、守るものも増えていくんやけども。基本的な軸、音楽を追い続けていることは変わらないということを「バッテリーはまだまだビンビンだってよ」というところに込めているので。
「バッテリーはビンビンだぜ」という忌野清志郎さんが使ったフレーズなんですけど、リスペクトも込めてこのフレーズを入れられたのが気に入っていますね。


──『My Generation』について最後に、若い世代が『My Generation』聞いたときに、どういうふうに感じてくれたら嬉しいか、聞かせてください。

上中丈弥:未来は明るいよと思ってほしいね。僕はこれから40代になるけど、30代後半になってもイケイケなんやと。…イケイケって古いか(笑)
大人って思っている以上に楽しいよ、ということを感じてもらえたら。

『あぁ バラ色の日々』がジブリ祭りに!?


──カップリングの『あぁ バラ色の日々』についてお伺いします。これはどんな曲になりましたか?

上中丈弥:俺たちだから送れるメッセージソングになったと思います。人生ズッコケているくらいがちょうど良いんじゃないかと。ズッコケていることすら喜びに変えられたら、もうその人生はバラ色だと。お前次第や、という曲ですね。。


──なるほど。この曲で個人的に印象的だったのは「竹箒に跨って 黒猫と旅に出ようかな」ってフレーズでした。魔女の宅急便の世界観を感じました (笑)。

上中丈弥:それくらい現実逃避したくなる日もあるやん?でも、そんな旅していてもしゃあないやん!っていうメッセージを込めてます。


──魔女の宅急便を意識し始めると、次に出てくる「崖っぷちも 通り過ぎて」ってフレーズはポニョかな?と思うし、「谷の底で見上げた目は」ってフレーズはナウシカかなと思うし…。

上中丈弥:面白い!全く違うけど(笑)。聴く人によってここまで解釈が違うのは面白い。


──(笑)

上中丈弥:ジブリは全く関係ない男らしい曲のはずなんだけど、そう言われるとなんかふわっとしますね。


──女の子やキッズも入りやすい曲に(笑)。

上中丈弥:ね。良いかもしれない。


音へのこだわりは…


──こっちのメロディーはエモーショナルな感じというか、『My Generation』よりもシリアスな感じになっていますね。

上中丈弥:ストレートな疾走感のあるビートに乗せて歌った曲ですね。これもギターのリフ、始めのイントロがすごいカッコ良くて。ギターから始まって曲が分かるというのがロックバンドの良さなんですよ。ギターのフレーズが始まって「この曲がきた!」と鳥肌が立つ感じ。


──なるほで。では『あぁ バラ色の日々』に限らず、イントロはどの曲もこだわりが強いんですね。

上中丈弥:こだわって作りたいと思っています。そこで一発テンションが上がるようなロックバンドでいたい。かっこいいロックバンドがそうかなと。


──では21年やっていて、同じようなイントロは1個も出していない!みたいな自信もあったり!?

上中丈弥:同じようなのあるよ(笑)ならへんようにしているけど、やっぱり被ってくるし。それって、もう仕方ないんよね。コードは数が限られているから。しかも、歴史が長いロックバンドって、世界中にいるから。どこか被ってくるというのは仕方ないんやけど。なるべくオリジナリティを突き詰めてやっています。


──あと「命懸けで構えたファイティングポーズ」というこのフレーズが、私は一番好きなんですよ。おじさんが…、あっ、おじさんって言ってごめんなさい(笑)

上中丈弥:いいよいいよ(笑)ひとまわり以上、上やもんね。


──一すいません、おじさんの「命懸けで構えたファイティングポーズ」って、かわいく思えちゃうというか。

上中丈弥:え!?かっこいいやん!かわいい…そうか、かわいいかもしれへんな。初めて言われたわ。「命懸けという言葉がかわいいですね」って。


──この感じわかる同世代の女子いると思うんですよね!!

上中丈弥:おらへんわ!(笑)それ、どんなおじさん?それ、ちょっとすんごいおじさんにしていない?禿げ上がってさ、小太りなおじさんが、ちょっとTシャツ伸びて必死に構えている?(笑)俺が言っているの、そんなんじゃないで(笑)


──違います、違います(笑)

上中丈弥:まあ、ええんやけど(笑)


命がけのファイティングポーズ


──この曲からも歌詞のフレーズで特に気合いが入っているところとか、ピックアップしたい歌詞について聞かせてください。

上中丈弥:でも、「命懸けで構えたファイティングポーズ」かな。俺、趣味で総合格闘技をやっているから思い入れあるんですよ。


──あっ!ガチ中のガチなファイティングポーズだったんですね。

上中丈弥:そうそう。総合格闘技をやっている人って本当に命懸けやから、背負っているものが見えてくるというか。うわ、すごいなという思いも込めて書いているんで、好きなフレーズではあります。通り越してかわいいフレーズ…(笑)


──(笑)。なるほど。総合格闘技をやられているということでしたが、上中さんご自身が命がけのファイティングポーズを構えるようなことというか、試合などもやられていたりするんですか?

上中丈弥:ない!寝技の試合とか出たことはあるけど、殴り合いは怪我をして危ないから、、、あれ?これ、歌詞のサイトやんな?(笑)


──はい(笑)。

上中丈弥:絶対使えへんよね?(笑)


──使います!(笑)寝技の試合というのがあるんですね!

上中丈弥:掘るなあ(笑)あんねん。寝技の試合というのがあって。関節技を決め合うような。って、音楽関係ないやん!


──(笑)!!すいません話を戻します!続いて、ライブの話を。来年にかけて、ものすごい数のライブがありますよね。しかも、対バンとワンマンと交互にやられていくような感じなんですね。

上中丈弥:頭ワンマンやって、対バン交えつつ今年はやっていきます。年明けたら全部ワンマンですね。


──最終的に、来年の春4月21日に中野サンプラザホールでやられるということですけれど。ツアーと、最後の中野サンプラザホールでのライブは、ぜんぜん違うものになるんですか?

上中丈弥:サンプラは、今年5月の野音から、また半年かけてツアーを回って、次はサンプラザホールという。規模をちょっとずつでも大きくしてゆくゆくは武道館に繋がれば良いなと思っている僕たちの人生設計の一つですね。Road to 武道館への。


──あと何年で武道館まで行きたいというのはありますか?

上中丈弥:いや、もう分からへんねん、ここまで来たら。21年やっているから。それでも長く続けてたどり着きたいなと。武道館でポンとできるなんて、本当に難しい事ですから。


──中野に向けてと、それまでライブハウスでやっていくライブの見所を教えてください。

上中丈弥:応援し続けてくれている皆さんが全国各地いろんなところから来てくれると思うので。感謝の気持ちと、僕たちはまだかっこいい楽曲を作り続けているという姿を見せて。本当にいつか武道館に行けるんだろうなという姿を見せられれば良いなと思っています。そのためのRoad to 武道館、二発目が、最後の来年の着地、中野サンプラザホールとなっておりますので、ぜひとも来てください。


──ありがとうございます。最後に一言、CDを聞いてね!っていうようなメッセージを頂ければと。

上中丈弥:CD聞いてね!


──!?

言うたで!『My Generation』聞いてね!聞いてください。


──ありがとうございました(笑)!

Text:愛香
Photo:片山拓


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(更新日:2018年10月10日)

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