
桐蔭学園5番・牧野竜也
<春季神奈川県大会 桐蔭学園10-2藤沢清流(8回コールド)>◇準決勝◇30日◇横浜スタジアム
桐蔭学園は、初回から活発に攻撃陣が機能。冬場に培ってきたという「つなぎの攻撃」が横浜スタジアムでもいかんなく発揮して、藤沢清流の大型左腕・木島 直哉投手(3年)を打ち崩した。
その中でも貢献度が高かったのは、1番・相澤 白虎内野手(3年)と5番・牧野竜也外野手(3年)の2人ではないだろうか。相澤は準々決勝・東海大相模戦では1安打2四球という結果だったが、この日は1安打2四球2盗塁と1番打者として結果を残した。
肩の高さにバットを置きつつ、重心を下げてどっしりと構える。軸足に重心を乗せてトップを作ると、滑らかなバットの出だしからレベルスイングで捉えてはじき返していく。後ろを大きくしすぎることなく、程よくバットを走らせながら振りだしているので、球のラインに入れつつも強くミートできているアベレージヒッターの印象だ。
西武ライオンズジュニア、ボーイズ日本代表、桐蔭学園の主将と経験は豊富ではあるが、なおかつ「気持ちが強く、自分にも他人にも厳しい」と片桐監督は評する。事実、試合後に話を聞いても「チームとして満足していません」と関東大会出場を決めても納得しておらず、自身の結果についても「出塁することはできましたが、もっといい成績を残したい」と慢心はなかった。
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相澤はミート力に関して、冬場にチームで取り組んできたことが自身の成長にもつながったと感じている。
「煽らない(打ち上げない)ようにして、低い打球を打つことを心掛けてきました。そのためにも無駄の少ないフォームを模索しましたし、打撃練習から1球目をしっかりとらえるように意識も高くもってやるようにしてきました」
ストイックな気構えが、ここまでのエリート街道に満足なく成長させたのだろう。今後も相澤には注目だが、5番に座った牧野はこの試合だけで4安打4打点と中軸としてふさわしい活躍ぶりだった。
中学時代は名門・世田谷西シニアでプレーした牧野。上体は高くして突っ立ち気味だが、リラックスした状態で打席に立つと、球に対して素直にバットが最短距離で出す。反動がないため差し込まれにくいと感じるとともに、高めに対しての強さを感じさせたが、指揮官の片桐監督も打ち損じの少なさを評価しながら「早いカウントから仕留められるし、プレッシャーにも強いですね」とメンタリティーも高く評価した。
牧野をはじめスラッガーではないが、鋭くシャープな打球を野手の間を抜いていく打者が揃っている桐蔭学園。1日の決勝でも快音が響くか楽しみだ。
試合は初回に桐蔭学園が先制点を奪うと、中盤の5回には5番・牧野の一打などで4点を追加。7対1とリードを広げると、8回にもダメ押しの3点を加えて勝負あり。10対2の8回コールドで桐蔭学園が勝利した。
桐蔭学園らしさ全開 走力で大型左腕を攻略して決勝進出
桐蔭学園1番・相澤白虎