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腰椎椎間板ヘルニアと言われたら

高校野球ドットコム


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 野球を続けていると腰が痛くなったことはありませんか。腰痛にはさまざまな原因が考えられますが、体力レベルを超えて激しい動作を繰り返し行っていると、弱い部分が大きなダメージを受けて痛みを引き起こすことがあります。特に成長期は体が大きくなるために骨や筋肉も成長し、その組織は大人に比べるともろく傷みやすい傾向にあります。今回は皆さんも一度は聞いたことがある「腰椎椎間板ヘルニア」についてお話をしてみたいと思います。

腰椎椎間板ヘルニアとは

腰椎椎間板ヘルニアは椎間板の一部が逸脱して神経を圧迫する

 私たちの体は首からお尻にかけて脊椎(せきつい:背骨のこと)が存在し、一つ一つの骨が積み重なって形成されています。その一つ一つの骨を椎骨(ついこつ)と呼び、椎骨と椎骨の間にはクッションの役割を果たす椎間板が存在します。腰椎椎間板ヘルニアとは、腰部にある椎間板の一部が何らかの原因で飛び出し、神経やその周辺組織を圧迫してさまざまな症状を引き起こすものです。

 ヘルニアとはラテン語で「脱出」を意味し、体内の組織が何らかの要因によって本来の位置から逸脱した状態のことを指します。ヘルニアが見られる部位によって

・頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア
・腰椎(ようつい)椎間板ヘルニア
・鼠径部(そけいぶ)ヘルニア(スポーツヘルニアとも言います)

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のように呼ばれます。椎間板ヘルニアは椎間板の変性(加齢など)によって起こることもありますが、前傾姿勢や前かがみの姿勢を続けていると椎間板を圧迫してヘルニアを起こしやすいと考えられています。野球では中腰姿勢をとることが多く、椎間板に負担がかかりやすいと考えられますが、姿勢を保つために背中や腰背部、臀部などの筋肉が緊張しやすく、疲労が蓄積することによっても腰痛を生じる場合があります。特に腰椎は脊椎の土台部分であり、頭部や体幹部、腕などの重みがかかるため、腰の椎間板に大きな負担がかかりやすいと考えられます。

前かがみになると痛い

 ヘルニアを起こした場所にもよりますが、多くの場合、腰背部の痛みとともに坐骨神経に伴う痛みも見られます。下肢にしびれや違和感を覚えたり、力が抜けてしまったり、筋力の明らかな低下が見られたりします。腰椎椎間板ヘルニアは、特に前屈動作で痛みが強くなることが多く、「腰を曲げられない」「中腰姿勢を保つことができない」といったことや、ひねりなどの回旋動作によっても腰痛が起こります。

 成長期の選手によく見られる代表的な腰痛としては、腰椎椎間板ヘルニアとともに腰椎分離症が挙げられますが、腰椎分離症の場合は腰を後ろに反らす後屈動作で痛みが強くなる場合が多く、腰椎椎間板ヘルニアは前屈時に痛みが強くなることが多いという特徴の違いがあります。

 野球選手が腰椎椎間板ヘルニアになる原因はさまざまですが、椎間板の変性によるものというよりは、椎間板に圧力がかかるような体の使い方や、体力レベルを超えた練習量や練習強度によるもの、下肢、臀部などを含めた柔軟性の問題、背筋と腹筋との筋力差などコンディショニングに起因するものが多く考えられます。

多くの場合は保存療法で競技復帰を目指す

ひねり動作をスムーズに行うために胸郭の柔軟性を高めよう

 腰痛でチーム練習に参加できないときは、医療機関を受診し診察を受けることが優先されますが、その際に「痛みが良くなるまで練習は休みましょう」「安静にしましょう」と指示されることがあります。この際の「安静」とはまったく動かさないということではなく、患部に負担のかかる動作は避けましょうということと考えられます。腰椎椎間板には立位姿勢をとるだけでも負荷はかかるものですが、日常生活に支障がないのであれば通学はもちろん問題ありませんし、痛みが出ない範囲で体を動かすことは競技復帰に向けて積極的に行っていく必要があります。医療機関を受診する際には医師に「やっていいこと」と「やってはいけないこと」を確認しておくようにしましょう。

「やってはいけないこと」として挙げるのは椎間板に大きな負担のかかるような動作や痛みが強くなるような動作が挙げられます。椎間板は重力など縦方向の力には耐性が強く、曲げることやひねる動作には弱いと考えられている軟部組織です。例えばバッティングのひねり動作で腰痛が強くなる場合は、しばらくバッティング練習を休むことが必要になってくるでしょう。その代わり、椎間板に負担のかからない中でのストレッチやトレーニングエクササイズは行うことができます。また荷重そのものを軽減するという点では、プールエクササイズなども推奨されます。

できることから実践する
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