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暴力団員を相手に…新米身辺警護員が招いた「2回の失敗」〜実録・ボディーガード体験談

オトナンサー


身辺警護の現場でやらかした「最悪な失敗」とは…

【画像】ボディーガードを依頼する一般人って、どんな人?

 日本にも「ボディーガード」という職業が存在します。あらゆる職業がそうであるように、ボディーガードの職に就いた彼らにもまた、ルーキーの時代があります。今回は、キャリア18年目のベテランであるMさんに、駆け出しの頃の考えられないような失敗談を聞きました。(個人情報保護の観点から、会話の内容などに一部アレンジを加えています)

初めての身辺警護は「億ション」の管理人

 私が警護の職に就いたのは25歳のときです。前職は飲食関係でした。警護の業界には、元警官や元自衛官、たまに元外国人部隊などもいますが、半分は私のように、一般的な職業の出身者です。最初は、銀行や高級ブティックなどの「制服警備」の毎日。いわゆる試用期間を1年ほど経験し、身辺警護の現場に入れることになりました。

 しかし今思うと、初めての身辺警護の現場は少々変わっていました。2002年だったと思います。既にバブル崩壊から年数がたっていましたが、好景気の時期に建てられた高級マンションが並ぶエリアがありました。依頼人は、ある不動産会社(以降「A社」)です。私の任務は、A社の管理物件の、あるマンションの管理人さんのボディーガードです。その管理人さんは、住人から日常的に、かなり激しい嫌がらせを受けていました(その物件を「B億ション」と呼びます)。

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 B億ションは5階建てで、「全戸200平方メートル以上」という超高級マンションです。1~5階の各フロアはそれぞれ1戸のみ。つまり全5戸というぜいたくな造りでした。ちなみに5戸のうち、入居者がいたのは3戸だけ。2階が暴力団幹部、3階が自称貿易商の父娘、5階は国籍も人数も分からないグループ…という個性的な住人ぞろいです。そもそもB億ションは、大規模開発の予定エリアの中にあり、A社としては、早急に転売したかったのです。要するに、コストをかけずに住人を追い出したい管理会社と、1円でも多くふんだくりたい住人の争いでした。

 B億ションの管理人をしていたのは、70歳の金子さん(仮名)です。金子さんは、A社と住人の争いのとばっちりを、直接的に受けていました。特に2階の住人からは、嫌がらせの域を超え、暴力や数時間の監禁などもあったそうです。「こんな環境での管理人業務で、金子さん、よく続けられるな…」と思いましたが、管理人としてはかなりの高給で、辞めたくなかったようです。そしてA社としては、大きな事件に発展しない限り、金子さんへの嫌がらせはむしろ有利な材料とみていた気がします。

 私の毎日の勤務は、午前9時に、入り口で金子さんの出勤を待つところから始まります。管理人室はエントランスを入った正面にあり、中は結構広くて8畳ほどありました。掃除などの雑用以外は管理人室で待機し、横100センチ×縦50センチほどの小窓から見ていて、建物への人の出入りを記録するのが管理人の仕事です。私の肩書は「管理人見習い」でしたが、実際そうは見えなかったでしょう。

いきなり問題発生…2回に及ぶ「最悪な対応」

 問題は、初日から起こりました。昼過ぎ頃、1人の住人が管理人室にいる私に気付き、小窓をコンコンたたいて「誰だおまえ!?」とけんか腰に尋ねるのです。窓をたたいているのは、派手なシャツを着た30歳前後の小柄な男。金田さんに聞くと案の定、2階の関係者とのことでした。その男がうるさいので、私は話を聞くために管理人室を出たのです。

 お気付きかもしれませんが、この場合、「外に出る」という行為は、絶対にしてはいけませんでした。当時の私は若気の至りといいますか、思慮の浅さと、その男をなめていたために部屋から出てしまったのです。

 派手シャツ男が「誰だ? テメェコラァ」と、こちらに顔を近づけてきたので、「新しい管理人ですが?」と見下ろしながら答えました。身長差は15センチ以上です。すると当然、向こうは「ナメてんのか、コラァ!」となるので、「ナメてんのはあんたじゃないの?」とさらに返しました。思い返すと、われながら信じられないほどの軽率な対応です。

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