公表されたデータをもとに、特に混んでいる路線と、混雑率が高まった理由について考察します。
●「混雑率」とは?
混雑率は「輸送人数(利用者数)の輸送力に対する割合」で表されます。輸送力とは、その区間のダイヤで運行されている全列車の定員の合計ではじきだされた数値です。
たとえばある朝のピーク時間帯(1時間)に、X駅~Y駅を走る6両編成の電車が14本あるとします。電車1本の定員が140人とすると、輸送力は6両×14本×140人=11,760人となります。この1時間の輸送力11,760人に対し、13,000人が電車を利用したとすると、13,000人÷11,760人×100≒110となり、混雑率110%と導き出されます。
つまり混雑率とは輸送人員÷輸送力、「ピーク時間帯1時間の平均値」で表されるのです。
国は主要31区間の平均混雑率を150%以下(「広げて楽に新聞を読める」程度)に、ピーク時における個別路線の混雑率を180%以下(「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める」程度)にすることを目標としています。
●混雑率180%超の路線、最混雑率区間ワースト5
国土交通省のまとめた混雑率のデータを見ると、混雑率の高かった区間(朝7~8時代)ワースト1位は、東京メトロ東西線(木場~門前仲町)の199%。次いでJR総武線各駅停車(錦糸町~両国)で197%、3位がJR横須賀線(武蔵小杉~西大井)の196%でした。
【最混雑区間ワースト5】
1位:東京メトロ東西線(木場~門前仲町)199%(0)
2位:JR総武線 各駅停車(錦糸町~両国)197%(-1%)
3位:JR横須賀線(武蔵小杉~西大井)196%(+5%)
4位:JR南部線(武蔵中原~武蔵小杉)189%(-1%)
5位:JR東海道線(川崎~品川)187%(+3%)
同5位:日暮里・舎人ライナー(赤土小学校前~西日暮里)187%(-1%)
※()内は前年比
また、国土交通省は東京圏、大阪圏、名古屋圏それぞれの電車の混雑率も発表しています。
【三大都市圏主要区間の平均混雑率】
東京圏:163%
大阪圏:125%
名古屋圏:131%
日本の人口が集中している東京圏は163%と、断トツの混雑率。またさきほどのワースト5はすべて東京圏の路線となっているうえ、東京圏以外で150%を越す区間は福岡県の西日本鉄道貝塚線(名島~貝塚)のみだということです。
●混雑率の増減が顕著だった2つの区間
今回の調査で、混雑率の増減が特に目立った路線が2つあります。
ひとつは小田急小田原線(世田谷代田~下北沢)。前年の混雑率は192%とこれまで混雑率が非常に高いことで知られた区間でしたが、今回、同区間の混雑率は151%。なんと前年比で41%の減少になったのです。2018年3月、朝のラッシュ時の列車本数を増加させた「複々線化」が功を奏したと思われます。
一方、その小田急線と入れ替わるように混雑率の高い区間として名前が挙がったのは、第3位のJR横須賀線(武蔵小杉~西大井)。前年比で5%も上昇しています。これは4位のJR南部線にも含まれている、武蔵小杉駅の利用者数が増加したことが要因だされています。
2010年3月に武蔵小杉駅に横須賀線のホームが設置されて以来、武蔵小杉駅周辺にタワーマンションが次々と建てられるほど都市開発が進み、ファミリー層を中心に移住する人が増えました。それにともない通勤客数も急増。2010年度のJR武蔵小杉駅の1日平均乗車人数が9万9617人だったのが、2017年には12万9637人にまで増加しました。今や朝のラッシュ時間は駅の改札内に入るだけで数十分は並ぶという混雑ぶりを見せています。
●混雑率の落とし穴
混雑率の計算方法は上記の通りですが、これには「実態がともなっていない」という指摘もあります。
それは朝のピーク時間帯に実際にダイヤ通りに動いている列車が少ないことや、同じ路線でも「急行」や「各駅停車」が交互に走っている場合、「急行」や「各駅停車」で混雑率に差があるにも関わらず、それをまとめた平均値で出してしまっていることなどが理由に挙げられています。
また、たとえ乗車率が150%程度の車両でも出口や乗り換え階段が近い号車に利用客が集中して混雑率が高まるなど、号車によって混雑率が変わるというケースもあります。
小田急線の複々線化をはじめ、大手鉄道会社は混雑緩和のためにさまざまな手を打ってきましたが、大規模なテコ入れはこの先は現実的に厳しいと予測されています。今後オフピーク通勤を目指すなら、混雑率の数値だけでなく、その路線の事情を含めた多角的な視点から対策する必要があるでしょう。
<参考サイト>
・国土交通省:東京圏で混雑率180%超の路線が12路線から11路線へ
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo04_hh_000068.html
・東洋経済ONLINE:首都圏83区間「鉄道混雑率」最新ランキング
https://toyokeizai.net/articles/-/230136
日本で最も「混雑率の高い」路線とは?
更新日:2018年10月8日
TOPICS
-
兼近、芸歴にこだわりすぎるお笑い界に呆れ
-
フワちゃん、無人島ロケでの異変に心配の声
-
『ぐるナイ』ゴチのクビメンバーに疑惑の声
-
さんま、祝儀を渡した岡村隆史の態度に憤慨
-
竹内結子さんの死後に浮上していた新たな問題
-
【2020最新版】Amazonプライムビデオで見放題のおすすめ映画
-
【週末涙活】100回見返したい感動の泣ける名作映画エンタメウィーク(映画)
-
「鬼滅の刃」が目指す高き壁!国内で売れた名作映画興行収入ベスト20エンタメウィーク(映画)
-
石原さとみの色気ムンムンな出演映画4選エンタメウィーク(映画)
-
松たか子の鬼気迫る演技がすごい「告白」
-
【2021年公開映画】ヒット間違いなし!これから上映予定の注目映画まとめエンタメウィーク(映画)
-
山崎賢人と川口春奈が秘密の交換日記を交わす「一週間フレンズ。」(2017)エンタメウィーク(映画)
-
広瀬すずのダンスにうっとり!「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」(2017)エンタメウィーク(映画)
-
史上最悪の総理が巻き起こす政界コメディ「記憶にございません!」(2019)エンタメウィーク(映画)
-
Hey! Say! JUMPの伊野尾慧が映画初主演!「ピーチガール」(2017)エンタメウィーク(映画)
-
福士蒼汰と有村架純の甘く切ないラブストーリー「ストロボ・エッジ」(2015)エンタメウィーク(映画)
-
松坂桃李と菅田将暉のダブル主演で名曲の誕生秘話を描く「キセキ -あの日のソビト-」(2017)エンタメウィーク(映画)
-
ガッキーの応援団姿が超絶かわいい!「フレフレ少女」(2008)エンタメウィーク(映画)
-
坂上忍の政府批判に視聴者が猛反発!「司会もゲストも文句ばっかり」エンタメウィーク(芸能)
-
アンジャ渡部、今度は水難に見舞われる?「素直に非を認めて謝れないのは…」エンタメウィーク(芸能)
-
ヒロミを呼び捨てにする芸人がいた!フワちゃんよりもカチンとする相手とは!?エンタメウィーク(芸能)
-
小池栄子、天海祐希を激怒させていた!?ダウンタウンの松本が「ガキ使」特番で暴露!エンタメウィーク(芸能)
-
「紅白歌合戦」の司会がウンナン内村に決まった裏で涙を飲んだコンビとは!?エンタメウィーク(芸能)
-
吉岡里帆がセクシー写真を公開!ファン「胸の谷間が……」エンタメウィーク(芸能)
-
コロッケの「ものまねグランプリ」優勝に疑問の声が続出!「そろそろ新人に…」エンタメウィーク(芸能)
-
和田アキ子の「アッコにおまかせ!」のコロナ対策に疑問の声が!「せめてマスクを…」エンタメウィーク(芸能)
-
チョコプラ・長田の身長に「信じられない…」の声相次ぐエンタメウィーク(芸能)
-
スザンヌ、雑然としたキッチンの様子に視聴者から驚愕の声が!!「危なすぎる!」エンタメウィーク(芸能)
-
田中圭&本田翼、「ぐるナイ」ゴチのクビメンバーに!!視聴者からは「やらせ」の声も…エンタメウィーク(芸能)
-
菅野美穂はなぜ好印象なのか?井上公造が語る、あるエピソードの顚末エンタメウィーク(芸能)
-
戸田恵梨香、かつて「早いうちに1回シメる」と言われた!?不仲が噂された相手とは?エンタメウィーク(芸能)
-
【ついに登場】エンタメウィークがアプリで読みやすくなりました!エンタメウィーク編集部
-
今だけ!毎日1,000pt+毎月10,000ptが当たるWチャンス!
-
【見せるだけ】簡単おトクな割引クーポンをGET★お近くのお店で今すぐ使える