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パフォーマンスを上げたい女性アスリート必見!生理に伴う不調、どう改善する?

パラサポWEB

女性の身体の定期的な不調の原因となる「生理」は、肉体のパフォーマンスが勝負を左右する女性アスリートにとっては悩みの種だ。これをどう捉えて、どう改善していけばいいのか、スポーツ庁国立スポーツ科学センター女性アスリート育成・支援プロジェクトのメンバーとして、数多くの女性アスリートのサポートを行っている婦人科医・高尾美穂氏にお話を伺った。

“生理”を普通に語れるようになったのは、なでしこジャパンのおかげ!?

婦人科医・高尾美穂氏

女性特有の“生理”という身体の現象。今でこそ男女年齢を問わず普通に語られるようになったが、アスリートの生理に伴う不調への取り組みが日本で積極的に始まったのは、あの“なでしこジャパン”の活躍が契機だったと知っている人はどれぐらいいるだろうか。

「2011年に東日本大震災があり、落ち込んでいた私たちに元気をくれたのが、その年のサッカー女子ワールドカップでのなでしこジャパンの優勝でした。翌年のロンドンオリンピックでは銀メダルを獲得して、サッカーに限らずスポーツの指導者たちは、女性アスリートにより効果的な支援をすればもっと潜在能力を引き出せるんじゃないかと考えたんですね。その流れの中で生理に伴う不調をどう改善すれば良いか、医科学的な情報を現場に届けようという取り組みが始まりました」

こう語るのは、婦人科医でスポーツドクターとして多くのアスリートを診ている高尾美穂氏だ。女性アスリートは、パフォーマンスを上げるという目指すべきゴールがはっきりしているため、生理による不調に前向きに取り組み、発信をする人も多いので、マスコミなどで取り上げられる機会も増えているのは喜ばしいことだという。そんな生理による不調をどのように改善したら良いかを知る機会は以前より増えてきたとはいえ、チーム競技ではアスリート同士で情報を交換し合う機会も多いものの、個人競技となると情報共有などがなかなか進まない傾向にあるのだそう。

「まず自分の調子が良い時期と悪い時期を、自分なりに把握することが大事です。アスリートの場合は、だいたい7割が生理後に調子が良いと答えます。しかし、1割ぐらいが生理周期は調子の良さにあまり関係ないと答えるので、みんながみんな生理後が調子が良いというわけではありません。逆に調子が悪い時期はいつだろうと眺めてみると、多くの回答が生理前と生理中に集中します」

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この生理中の不調と言えば、典型的なものが生理痛。お腹・腰の痛みに加え、ひどい場合は吐き気をもよおすなどの症状に見舞われ、学校や職場に行けないケースもある。

「そういったいわゆる月経困難症には、子宮内膜症や子宮筋腫など、原因となる病気がある場合があります。それに対しては治療が必要ですから、まず学校や練習、仕事に行けないぐらいの不調がある場合は婦人科を受診してほしいですね。ただ、原因となる病気が見つからなくても生理痛が重い方たちが、将来子宮内膜症を発症するリスクは、生理痛がない人の2.6倍。さらには不妊症の原因になったり、妊娠できたとしても早産してしまったり、妊娠合併症を起こしやすくなる可能性もあります。さらに閉経を迎えたとしても、卵巣がんなど発がんのリスクも高いんですね。ですから、生理痛が重いという時点できちんと対策をして、子宮内膜症の発症を抑えたい、という考え方が主流です」

生理前・生理中の不調を改善する2つの方法

では、生理痛が重いけれども、とりあえず病気は見つかっていないという場合は、どんな対策があるのだろうか。

「生理痛の治療にはファーストラインが2つあって、痛み止めと低用量ピルです。生理痛の痛みは、必要がなくなった子宮内膜を体外に押し出すために子宮が収縮するからですが、その働きを促すプロスタグランジンという物質が産生される過程をブロックするのが痛み止めです。ですから、出血が少しでも始まったら早めに飲みましょうということです。一方低用量ピルは、避妊はもちろんのこと、PMS(月経前症候群)や生理痛を軽減させることができます。生理痛が重い人が飲めば子宮内膜症の発症を防げるし、子宮内膜症の状態も進行せずに済む。低用量ピルは月経困難症、子宮内膜症には保険適用がありますから、痛み止めとともに婦人科医としてはおすすめしなければいけない治療法だと考えています」

また、PMSはホルモンバランスの乱れが原因だと思っている人が多いが、きちんとホルモンが分泌されているからこそ起きる不調だということを正しく知ってほしいと高尾氏は強調する。

「生理のリズムは、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンの分泌の変動によって形成されます。生理前の不調、つまりPMSはきちんとホルモンが分泌されているからこそ起こるものだという捉え方をまずしていただきたいと思います。その上で、自分が生理前に調子が悪くなると分かったら、その時期には大事な試合、大事な予定を入れないといったスケジュールの調整をする。それにプラスして睡眠や休養、リカバリーを十分にとる、アルコールやカフェインの摂取を減らすといった生活習慣の改善、もうひとつは運動習慣なんですが、アスリートの場合は大丈夫でしょう。それ以外にできることとして漢方の希望が多いのですが、アスリートはドーピングにひっかかる恐れがあるのでお勧めできません。そこでお勧めしたいのがピルです」

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