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【映画コラム】家族や結婚について考えてみる『カモン カモン』『マリー・ミー』

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『カモン カモン』(4月22日公開)

 ニューヨークで一人暮らしをするラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は、妹のヴィヴ(ギャビー・ホフマン)から頼まれて9歳のおいジェシー(ウディ・ノーマン)の面倒を数日間見ることになる。

 2人が送る日々を、デトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオリンズと舞台を移しながら、印象的なモノクロームの映像で描く。

 『ジョーカー』(19)での怪演が記憶に新しいフェニックスが、一転して、子どもに振り回され、悩みながらも愛情を注ぐ伯父役を好演。子役のノーマンの達者な演技にも驚かされた。

 製作は、『ムーンライト』(16)『レディ・バード』(17)『ミッドサマー』(19)など、ユニークかつ一癖ある映画を提供するA24。

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 もちろん、この映画の最大の見どころは、ジョニーとジェシーの互いの変化の様子だが、監督・脚本のマイク・ミルズが「自分が作る映画は、どれも母へのラブレターになる」と語るように、この映画の裏の主役は、ホフマン演じるジェシーの母ヴィヴだ。

 彼女は精神を病んだ夫(スクート・マクネイリー)の面倒を見ながら、息子の世話をしてくれている兄に、電話でさまざまな指示を出し、悩みに応える。つまり、実はこの映画全体を掌握しているのは彼女なのである。

 また、ジョニーが仕事として各地の子どもたちにインタビューをする様子が挿入されるが、この部分は脚本なしのドキュメンタリ―だという。そこで子どもたちが語る大人顔負けのコメントに驚かされたり、感心させられたりもした。彼らとジェシーがオーバーラップしてくるところが、この映画の真骨頂だ。

 さて、自分も、この映画のジョニーと同じ年頃の独身時代に、一時期おいの面倒を見たことがある。それ故、ジェシーに振り回されるジョニーを見ながら、身につまされたり、懐かしく感じるところがあった。

 例えば、『男はつらいよ』の寅さんと満男もそうだが、伯父とおいの間には、親子とは違う、時には兄弟のような、友人のような、不思議な関係性がある。あえてそこに着目したことで、この映画はユニークなものになったともいえるだろう。

『マリー・ミー』(4月22日公開)

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