2月23日、東京・立川ルーデンステニスクラブインドアコートにて、「第1回車いすテニススペシャルクリニックByプロ車いすテニス選手実行委員会」が開催された。
講師陣は、声かけ役となった眞田卓をはじめ、国枝慎吾、上地結衣、齋田悟司、荒井大輔と、日本が世界に誇る車いすテニス界のトップオブトップたち。さらに、ホルスト・ギュンツェル氏をはじめ一流のトレーナー、コーチ陣も加わり、全国から集まった12歳から22歳の次世代を担う若手選手14名を指導。フィットネストレーニング、テニスレッスン、そしてプロ選手5名全員と打ち合いができるプロヒッティングを行い、楽しみつつも熱気あふれる3時間となった。
トップ選手たち主導でクリニックを開催
今回のイベントの最大の特徴は、選手主導での開催という点だろう。何年も前から企画を温めてきたという眞田が、企画の意図を明かす。
「僕の原点の一つとなっているのが、TTC(吉田記念テニス研修センター)でかつて行われていた車いすテニスキャンプです。様々な年齢やレベルのプレーヤーが集まって、プロ選手から指導を受けるというものでしたが、たくさん刺激をもらいましたし、とにかく楽しくて、車いすテニスが大好きになりました。プロアスリートとしては、競技活動で成績を残すことが第一ではありますが、同時に社会貢献もするべきだと思っています。その意味でも、かつての僕が経験した環境をつくって次の世代に伝えていくことも大切と思い、企画させていただきました」

眞田が真っ先に声をかけたのが、齋田や国枝だったという。
広告の後にも続きます
「眞田選手との付き合いは長くて、もう何年も前から相談を受けていて、ぜひやりたいねって話していたんです」(齋田)
「こういった機会をきっかけに車いすテニスの楽しさに目覚めた結果、ここまで来たという眞田選手の経験談は、やはり強いなと思います。僕自身もこういう次世代向けのイベントをしたいとずっと思っていたので、賛同しました」(国枝)

上地や荒井も、眞田から声をかけられて、すぐに参加を決めたという。
「私が車いすテニスを始めたころは、同世代の選手が周りにいませんでしたし、トップのプロ選手に教えていただく機会もなかなかなかったので、眞田選手から話を聞いて、すごくいい企画だと思いました。私自身、まだまだ学びたいという気持ちが強く、どちらかというと生徒側に回りたい方ですし、世界のトップの選手たちの中に入って何ができるだろうとも思いましたが、私にできることがあるならば、という気持ちで参加させていただきました」(上地)
「このメンバーの中に入れていただけて光栄です。ジュニア世代の育成や普及は、車いすテニス界全体を盛り上げることにつながりますし、プロ選手にとっても刺激になる、すばらしい機会だと思います」(荒井)
多様なアドバイスが成長のヒントに
今回のイベントを通じ、それぞれ感じたこともあったようだ。例えば、上地は女子というカテゴリーの魅力について考えさせられたという。
