
人生100年時代。ミドル・シニア層の会社員が長く働き続けるうえで、無視して通れないのが健康の問題。
健康維持のためには、食事・運動といった生活習慣もさることながら、それ以上に「労働時間」「労働環境」などの働き方を見直していくことが重要です。40代・50代は過労死の割合がとくに多く、深刻な社会問題となっています。
そこで今回は日本での過労死の現状と、過労死との関わりが根深いブラック企業から脱出する方法について解説していきます。
日本での過労死の現状
「過労死」とは長時間労働・残業など「働きすぎ」による心身の調子悪化が原因で、従業員が亡くなってしまうことです。
具体的には直近1ヵ月の残業が100時間以上、または直近2〜6ヵ月の残業が平均80時間以上が「過労死ライン」とみなされ、これまで労災認定の基準とされていました。
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さらに2021年9月には国がこの労災認定基準を改正。心身への負担、休日の連続勤務、深夜勤務などの総合的な状況を加味したうえで、たとえ過労死ラインを超えていなくても労災が認定されるようになりました。
しかし国際労働機関の発表では「週労働時間55時間以上」で、うつ病などの精神面の不調や脳血管疾患・心臓疾患のリスクが高まることが指摘されており、現在の認定基準でもまだまだ十分とは言えないのが現状です。
実際に現在でも「会社や同僚に迷惑をかけられない」「転職先がみつかるか不安」といった理由から無理をしてしまったり、ブラック企業の取り締まりが不十分だったりと、過酷な労働環境にいる人は少なくありません。
2021年の「過労死等の労災補償の請求件数」も、脳・心臓疾患が784件、精神障害が2,051件と未だに高水準であるといえます。
ブラック企業から脱出するために
過労死のリスクから自分を守るために、労働者の心身を危険にさらすブラック企業に勤めている場合には、一刻もはやく脱出することが重要です。