
鉄道会社だけではない。公園からもゴミ箱は消えている。福井県福井市は、福井市が管理している公園のおよそ500箇所において、現在は市が管理すべきゴミ箱は一つもないと明らかにしている。
ゴミ箱が街から消えているのはテロや防犯対策、新型コロナウィルス感染拡大防止などを主な目的としているが、実は家庭ごみ増加に伴う収集コスト軽減もその一つとされており、家庭ごみはゴミ箱の管理者にとって軽視できない大きな問題となっているのである。
■家庭ごみをコンビニ捨てることは違法
「教えて!goo」に「家庭ゴミをコンビニのゴミ箱へ捨てる行為について」という質問が投稿されている。質問者は家庭ごみをコンビニに捨てる行為がどんな罪に問われるかを聞いているが、今回はこの問題について法律の専門家である井上義之弁護士(富士見坂法律事務所代表)に話を聞いてきた。
「廃棄物処理法16条は、『何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。』と規定しています。通常コンビニ等は家庭ゴミの持ち込みを禁止していますから、家庭ゴミをコンビニ等のゴミ箱に捨てる行為は不法投棄となり、廃棄物処理法16条に反して違法となる可能性が高いです」(井上義之弁護士)
家庭ごみをコンビニに捨てる行為は廃棄物処理法16条に触れているという。
「ちなみに、コンビ二等には防犯カメラが設置されており、違法行為の証拠が残りやすいので、刑事や民事で責任追及された場合、責任を免れるのは難しいと思います」(井上義之弁護士)
■廃棄物処理法とは
廃棄物処理法はどんな法律なのだろうか。
「廃棄物処理法は、廃棄物処理を適正に行うために、廃棄物を、【事業活動から生じる産業廃棄物】と【それ以外の一般廃棄物】に分類し、前者については排出者である事業者に処理責任を負わせ、後者については市町村に処理責任を負わせています。自ら産業廃棄物を処理できない事業者は許可を受けた産廃業者に処理を委託しなければなりません。きちんと確認しないまま無許可業者に産廃処理を委託してしまうと、委託した事業者も同法違反になりますので注意が必要です」(井上義之弁護士)
ゴミを出すのも集めるのも捨てるのも、各自責任を持ってルールを守りましょうということだろう。
■廃棄物処理法違反の罰則
最後に廃棄物処理法違反の罰則を聞いてみた。
「前述した不法投棄や無許可業者への廃棄物処理の委託は、比較的重い罰則が定められており、『5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はこれらの併科」となっています。ちなみに違反行為によっては法人である雇い主と行為者の双方を処罰するいわゆる両罰規定も置かれています」(井上義之弁護士)
なんと家庭ごみをコンビニに捨てたら5年以下の懲役か1000万円以下の罰金になる可能性があるという。「家庭ごみを捨てないで下さい」という張り紙をよく見かけるが、これほどの罪になるとは…。ゴミの取り扱いにはぜひご注意を。
専門家プロフィール:弁護士 井上義之(第一東京弁護士会) 事務所HP ブログ
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記事提供:ライター o4o7/株式会社MeLMAX
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