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北京冬季パラリンピックで金4個! 大奮闘の日本代表選手と4年後に向けた課題

パラサポWEB

その川除は、金メダル獲得後、率直に「日本チーム一丸でメダルをつなげられたことはよかった。でも、僕は今回、日本チームのためという思いを背負いきれるほどではなく、この4年間のすべてを出し切るという意識で滑りました」と話している。

まだ自分のことで精いっぱいだったという告白だが、年齢を重ねていけば、新田のように日本チームを引っ張っていく存在に変わっていきそうだ。

一方、3人が出場したバイアスロンでは、高地への順応や日々変化する風に苦労させられた。そんななか左肩の大ケガから復活した佐藤圭一がインディビジュアル12.5kmで7位入賞を果たし、ベテランの意地を感じさせるレースを展開した。

その他、ノルディックスキーチームは初めてパラリンピックの舞台を踏んだ18歳の岩本美歌など若手の巻き返しにも期待がかかる。

全競技でメダルを獲得したカナダ。クロスカントリースキーのブライアン・マキーバーは通算16個目の金メダルを獲得
photo by Getty Images Sport

スノーボードは道半ば

前回、成田緑夢が金1銅1を獲得したスノーボードは、メダルなしに終わった。しかし、日本が力を入れてきたスノーボードクロスで、出場選手6人中、5人が入賞。二星謙一監督は、「前回は前回、今回は今回で達成できたものがある」と納得した表情で話した。

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二星監督がこう話すのは、日本チームとして挑む2回目のパラリンピックでチームビルディングが順調という手ごたえがあるからだ。健常でもトップ選手だった成田という個に頼ってメダルを成し遂げた4年前から、今回はチームとして計画的に強化を進め、6人を北京に送り出した。

たとえば二星監督は、平昌が終わった最初の2年間で、「練習できる環境を整えてほしい」と選手に覚悟を促し、一部選手はアスリート雇用などしてくれる企業へ転職。3年目に強化選手をいまの6人に絞り、表彰台を目指してきた。今回、メダルは逃したが「チーム全体の底上げができた」というのが指揮官の実感だ。

またすべての競技に共通していた課題は、様々な雪質・天候に対応する能力だ。大会前から氷点下で固めた人工雪への対応が難しくなることへの懸念はあったが、3月に入って気温が上昇し、足を取られやすい腐った雪に苦慮する日が多かった。硬いバーンを予測していたチームも多く、おのずと選手たちはどう滑るか、ワックスマンはどんなワックスを選定するのか、悩まざるを得なかった。

市川貴仁が5位に入ったスノーボードクロス  Photo by AP/AFLO

今後はいかに対応力を磨くか。スノーボードクロスで日本最高の5位だった市川貴仁は「これからは、365日滑るつもりでやって、どんな天気、どんな雪質にも合わせられる滑りをしていきたい」と決意を語り、雪上で過ごす時間を増やしていく必要性を唱えている。

アルペンスキーの夏目監督も、パラリンピック史上最も難易度が高いといわれたコースについて「初めて滑るという条件は(欧米選手も)みな同じだが、彼らはシーズンが長いぶん、対応能力が高かった」と語り、様々な条件下での長時間のトレーニングが結果につながることを強調した。

全ての競技で結果を残した中国勢。強豪国からコーチを呼び短期間で強化した
photo by Getty Images Sport

ただ、ここ2シーズン、日本チームはコロナ禍で思うように思うように海外遠征できず、雪上にいる時間を確保しづらかった事情もある。そんななかでも、アルペンスキー日本チームが長野県の菅平高原に専用バーンをつくり、滑降日数の確保に努めていたように、そのときにできる最大限の努力はしていた。

ノルディックスキーチームも長野県の湯の丸高原で事前合宿を行い、高地で行われる本番に備えていた。

いずれにせよ、最終日に河合団長は「今回に続き、学び続けるのが我々の次なる目標」と力強く語った。この言葉通り、日本代表はまた新たな目標に向かって歩み続けるしかない。

次回、冬季パラリンピックは、2026年にイタリアのミラノ、コルティナ・ダンペッツォで開催される。今回、出場権を獲れなかったアイスホッケー車いすカーリングも含めて強化を図り、2006年のトリノ大会から続く金メダルランキング10位以内を継続できるか。

text by TEAM A
key visual by Getty Images Sport

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