「ついに私たちの出番です」。河合純一団長の力強いメッセージは、オンラインで参加した選手やスタッフの胸にしっかりと届いただろう。
東京パラリンピック開幕からちょうど半年となる2月24日、北京2022パラリンピック冬季競技大会日本代表選手団の結団式が行われた。

オリンピックの熱気が冷めやらぬ中で
日本チームが過去最多18個のメダルを獲得した北京オリンピックの熱気を引き継ぎ、「勇気、強い意志、インスピレーション、公平といったパラリンピックの4つの価値を体現してくれることを大いに期待しています」と河合団長はあいさつした。
3月4日に開幕する北京冬季パラリンピックは、日本からアルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、スノーボードに29選手が出場する。

東京大会の熱気を絶やさない
この日、団旗が日本パラリンピック委員会(JPC)の森和之会長から、河合団長を経て、旗手の川除大輝(クロスカントリースキー)に手渡されたあと、主将を務める村岡桃佳(アルペンスキー)が決意表明。「東京から引き継いだこの冬季大会までの流れを絶やさないよう、決して諦めない覚悟を持ち、全力で戦い抜くことをここに誓います」と述べた。

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3度目のパラリンピック。主将の大役を務める村岡は、「私自身、未熟だし、前に出るタイプではないので不安はある」と打ち明けつつ、「いつもの私らしく笑顔で明るく楽しみながらレースをして、そして日本選手団の前に立って進んでいけたらいいなと思っています。がんばります!」と意気込み、笑顔をのぞかせた。

パラスポーツ界にとっては、自国開催で高まったパラスポーツへの関心をつなげたい大会でもある。
その象徴であるのが東京パラリンピックにも出場した“夏冬連続出場”の村岡だ。陸上競技100mで6位入賞を果たし、平昌大会で5つのメダルを獲った冬に帰ってきた。東京大会がコロナ禍で史上初の1年延期に見舞われたため、「真の二刀流」の道を進み、北京大会に臨む。
同じく陸上競技とスノーボードの小須田潤太、ボートとクロスカントリースキーの有安諒平も、それぞれ連続出場。二刀流選手のたくましさが際立つのも今回の選手団の特徴だろう。
先輩から受け継ぐ輝き
そして、もうひとつ、つなぎたいのが冬季パラリンピックを盛り上げてきたレジェンドからのバトンだ。

開会式で日本代表選手団の先頭を歩く旗手の川除は、今大会7度目のパラリンピック出場となる新田佳浩から大きな影響を受けてきた。旗手を任されるにあたり、重圧も感じるというが、2006年トリノ大会で日本代表選手団の旗手を務めた新田からは「緊張せず、いつも通りでいい」と送り出されたという。
新田はバンクーバー大会と平昌大会の金メダリスト。「金メダルを獲得している新田選手の道を辿り、旗手をさせていただけるということは期待されているということ。そこでしっかり成績を収められたらいいなと思います」と川除は語った。