京にやって来たばかりの頃、西郷吉之助(鈴木亮平)、大久保一蔵(瑛太)らが出会ったのが、茶屋「繁の家」の人気芸妓ゆう。やがて大久保と恋に落ちると芸妓を辞め、鳥羽・伏見の戦いで新政府軍の切り札となった「錦の御旗」を作るなど、大久保を献身的に支えていくことになる。演じる内田有紀が、役作り、ゆうと大久保との関係などについて語ってくれた。

私も幕末の物語が大好きなので、登場人物の名前を見ているだけでワクワクします。それに加えて、この作品では少しずつですが、男性をサポートする女性たちの姿もチャーミングに描かれているのも見どころです。そういう意味では、歴史を掘り下げる部分は男性に任せて、女性たちのパートはホッとできたり、愛らしさが出てきたりする部分として、丁寧に一生懸命演じたいと思っています。特にゆうの場合は、正妻の満寿(美村里江)さんには申し訳ありませんが、大久保さんをサポートする姿を見てもらって、ライバル心を燃やしてもらおうかと(笑)。
-そんな女性たちの活躍を見て、幕末に対する印象は変わりましたか。確かに、幕末で女性の存在を意識したことは、今まであまりないかもしれません。坂本龍馬の奥さんのお龍さんぐらいでしょうか。どうしても、他に有名な人たちが多いので…。ですから、この作品を見ていると「時代を変えるんだ」という男性たちの勢いに飲まれるのではなく、女性たちも必死に付いていきながら、旦那さんや愛する人をサポートできる強さを身につけていったのではないか…。そんな気がしてきます。
-ゆうはもともと、芸妓でしたが、役作りはどのように? 当初は、劇中で踊るかどうか分からなかったので、まず踊りの稽古をさせていただきました。踊る場面はありませんでしたが、おかげで気持ちを作ることができました。ただ、日常の所作は踊りとまた違うんです。驚きました。踊りで…