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デザイン的にもうちょいひねりが欲しいところだ〜マイケル・シェンカー・グループ『神(帰ってきたフライング・アロウ)』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

耳マン

音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。

番外編(第181回)〜残念なジャケット〜:デザイン的にもうちょいひねりが欲しいところだ

新年一発目の残念なジャケット回。今年も毎月最終水曜日は呪われた日になりそうだぜ。

マイケル・シェンカー・グループ『神(帰ってきたフライング・アロウ)』(1980年)

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<あの海外セレブの背後に偶然ロバートが写り込む奇跡>

というわけで年明け早々“神”への冒涜から始めようと思うのだが、マイケル・シェンカーといえばロックギタリスト、とりわけハードロック/ヘヴィメタルギタリストの世界では決して無視してはいけない重要人物だ。何しろタイトルのどおり“神”の異名をもつくらいなのだから。

キャリア的には初ステージはなんと11歳。そして17歳で兄のルドルフとともにスコーピオンズに参加。その後UFOにも加入し、両バンドに華やかな時代をもたらした。しかしメンバーとのコミュニケーション的な問題から長くは続かず(マイケルはドイツ人で、英語がうまく話せなかったらしい)、1979年からはソロ活動メインになっていく。ちなみにライブの途中でいきなり帰ってしまうといったエピソードもよく聞く人で、精神的に少々不安定なタイプでもあるようだ。

そんなマイケルのソロ活動一発目のアルバムが本作『神(帰ってきたフライング・アロウ)』である。ウルトラマン以来の帰ってきたパターンだが、帰ってこないことが多いマイケルのアルバムにつけるようなタイトルではない(『帰っちゃったフライング・アロウ』ならわかるが)。ちなみに“フライング”は彼の愛用するギター“フライングV”が由来で、“アロウ”はなんかかっこいいからつけたのだろう。

ソロ活動とはいえギターインストアルバムというわけではなく、ボーカルにゲイリー・バーデンを迎えたしっかりとした歌もののアルバムである。そしてその音楽性はまさにお手本のような正統派のハードロック。アグレッシブなリフに美しいバラード、スリリングなギターソロなど、ハードロック好きのツボを見事におさえた内容で、ハードロックの金字塔的名盤として語り継がれている。とりわけ素晴らしいのがギターインスト曲の『イントゥ・ジ・アリーナ』である。不穏な雰囲気が漂う前半からドラマチックな哀愁の後半へと流れる展開が絶品で、ハードロックギターインスト曲としてのスタンダード的な立ち位置を生み出した偉大な曲だ。

そんな内容に関しては文句なしの“帰ってきた”だが、ジャケットが個人的にはどうも好きになれない。精神面やアルコールなどさまざまな問題を抱えていたマイケルの目覚め、復活的な意味合いが込められたジャケットなのかもしれないが、デザイン的にもうちょいひねりが欲しいところだ。それに同時期に発売されたレインボーの『アイ・サレンダー』(こちらも以前番外編で取り上げた)もそうだが、ジャケットに病院とかそれを連想させるものがあるとどうにも冷たい印象を受けてしまう。それは中身の印象にも繋がるところなので、やはりもう少し温度を感じるジャケットが良かった。

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