解説
「トレーニング デイ」などを手がけたアントワン・フークア監督が、ボクシング元世界チャンピオンの再起と家族の絆を描いたジェイク・ギレンホール主演作。怒りをエネルギーに相手を倒すというスタイルでボクシング世界チャンピオンにまで上り詰めたビリー・ホープ。しかし、自身が起こした乱闘騒ぎの結果、妻を死なせてしまい、さらにはボクサーライセンスまで剥奪されてしまう。失意のどん底にあったビリーだったが、育ての親であるトレーナー,ディックの元を訪れ、過去の自分と向き合いながら、再びリングへ上がる道を模索していく。本作出演のため、6カ月におよぶトレーニングによりボクサー体型を作り上げたギレンホールが主人公を演じ、フォレスト・ウィテカー、レイチェル・マクアダムスらが脇を固める。
(提供元:映画.com)
三度の飯より映画ファンさん ★★★★★
ボクシング映画といえば『ロッキー』や『ミリオンダラー・ベイビー』など名作映画を輩出しているジャンルですが、このタイトルもそれらに匹敵する程に素晴らしい作品に仕上がっています!
『ナイト・クローラー』ジェイク・ギレンホールが演じる、全米一のボクシングチャンピオン、ビリー・ホープ。しかし、自身の短絡的な性格が原因で引き起こした事件をきっかけに、心の支えであった最愛の妻を失い、一気に人生のどん底まで沈む。
再起を誓うビリーは妻と娘のために、再びグローブをはめて因縁の相手と対峙する。
その脇では、金の事しか考えていない悪いプロモーターや小さなジムを経営する隻眼のトレーナー、ヒールな対戦相手が登場するといった個性豊かなキャラクターが多数登場。
こう聞くと他の映画との一緒では? と思ってしまいますが、本作はあのヒップホップ界のスーパースター、エミネムの半生をモチーフに制作されているのです! 貧しい環境で育ち、両親からも学校でも虐げられていながらも、ヒップホップで成り上がった彼の人生は、まさしくアメリカンドリーム。前述の通り、王道のストーリーを体現したエミネムも凄いですが、これをボクサーと融合させたアイデアも凄いですよね!
監督はこの手の映画を撮らせたら一流のアントワン・フークワ。映画のアイデアだけでなく、センスが光るカメラワーク、演出に心が掴まれます。特にエミネムの曲をバックに描かれるトレーニングとファイトシーンでは、全身の細胞が奮い立つこと間違いなし!
文句のつけようがない素晴らしい出来栄えで、ボクシング映画が好きならば必見の一本です。