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大阪公立校で32年ぶりの聖地へ 阪神・矢野監督の言葉を胸に65人の大所帯で挑む桜宮【後編】

高校野球ドットコム

 阪神・矢野燿大監督の母校として知られている桜宮。スポーツ健康科学科が設置されるなど、部活動が盛んな学校で、野球部も1982年春に甲子園出場経験がある。近年も昨春と昨秋の大阪大会で4強入りを果たすなど、公立の雄として存在感を示している。その秘密を探る後編では、夏への思いと取り組みを紹介する。

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ソフトボール打ちで打撃向上へ

ソフトボール打ち

 昨年秋の準々決勝では履正社と対戦。2019年夏の甲子園優勝校を相手に接戦を演じたが、「向こうのミスにつけ込めなくて、ちょっともったいない試合でした」(北風監督)とあと1歩及ばず、2対4で惜しくも敗れた。

 履正社との試合で北風監督が感じた課題は、変化球への対応だった。好投手のキレのある変化球に対応するためには、正しい打ち方を身に付けなければいけない。その一環として行っているのが、ソフトボール打ちだ。

 投手が山なりに投げたソフトボールをゆっくりとした動作で打ち返し、遅い打球を投手の頭の上に飛ばすことができれば、良い打ち方ができているということになる。これは、「ゆっくりとした動きで正しい動きができないと、速い動きをしても同じ」という北風監督の考えから行われているものだ。春以降に、このユニークな練習の成果が出るか注目される。

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 投手陣は、高木と秋にエースナンバーを背負った松原 冴介投手(2年)が軸になる。ともに北風監督に適性を見込まれて、内野手から投手に転向しており、伸びしろを感じさせる右投手だ。

 秋は背番号10ながら主戦を務めた高木は身長164センチと小柄で、ストレートの最速も129キロだが、伸びのある球を投げ、抜群の制球力を誇る。両サイドに投げ分けることができ、打たせて取る投球が持ち味。1年秋に投手に転向する前は二塁手を務めており、「牽制の時のターンなどで足が素早く動くなと感じました」と内野手時代の経験が生かされている部分もあるようだ。

 松原は最速130キロのストレートと曲がりの大きいカーブの緩急を使った投球が光る。昨秋の履正社戦では2番手で2回を投げ、無失点に抑えている。この結果は自信になった一方で、「その時はカーブが良かったのですが、ストレートが少し浮いていた部分がありました」と課題も感じながら練習に取り組んでいる。

 背番号1を争う2人は良きライバル。「ストレートの球も良くて、いい自分の刺激になっています」と高木が松原について話せば、「1人で試合を投げ切る力は見習いたいです」と松原も高木の実力を認めており、互いに切磋琢磨しながら成長を続けている。

「比べるのはチームや敵ではなく、昨日の自分」

山本昂奨主将

 部員は1、2年生だけで65人いるため、投手に限らず競争は激しい。メンバー争いが過熱してギスギスした雰囲気になってもおかしくないが、多くの選手が進学の決め手に雰囲気の良さを挙げるほど、チーム内での人間関係は良好だ。その秘訣について山本はこう話す。

「北風先生がよく仰っているんですけど、仲間でありライバルというところでやっているので、チームメイトに上手くなってほしいという気持ちを持ちながらも、しっかり自分も上手くなる、というそのふたつの気持ちを持つことによって、いい関係でやっていけてます」

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