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【エンタメコラム】最新技術で迫力を増した映像と音響、時を重ねて深みが加わった物語。『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版を劇場で体感!

エンタメOVO

 アニメーション映画の名作『銀河鉄道999』が、最新技術でドルビーシネマ版として生まれ変わり、全国7館で順次公開中。松本零士原作のテレビシリーズの放送開始後、劇場版として新たに製作され、1979年の日本映画ナンバーワンヒットとなった歴史的作品だ。

 機械の体を手に入れ、永遠の命を得た裕福な機械人間が支配する地球。貧しい生身の人間が虐げられた生活を送る中、たった一人でたくましく生きる少年・星野鉄郎(声:野沢雅子)は、謎の美女メーテル(声:池田昌子)に導かれ、銀河鉄道999号に乗って銀河の彼方アンドロメダへと旅立つ。その途中、鉄郎はさまざまな人々との出会いを重ねていくが…。

 SFファンタジー的設定の下、伝統的なロードムービーのスタイルで描いた少年の冒険物語はロマンにあふれ、製作から40年以上たった今も変わらぬ輝きを放っている。しかも今回のドルビーシネマ版は、最新技術を用いたクリアな画質と迫力の音響を得て、現代でも通用する見応え十分の仕上がりとなった。

 特に、立体音響“ドルビーアトモス”にパワーアップされた音響の効果は抜群だ。999号が銀河を疾走するシーンやキャプテン・ハーロック(声:井上真樹夫)の宇宙船“アルカディア号”の飛翔シーン、クライマックスの大スペクタクルなどが、最新映画と比べても遜色ない迫力で体感できる。

 それは、例えるなら、古いモノクロ映像をカラー化する感覚に似ているかもしれない。戦前の古いモノクロ映像をカラー化したものをテレビなどで見ると、自分には無縁だと思っていた大昔の出来事が、時間的な距離を飛び越えてぐっと身近に感じられる。

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 今回のドルビーシネマ版を見て、その感覚を思い出した。そういう意味では、主人公・鉄郎の成長を描いた物語は、もともと少年少女に向けたものであることから、若い世代が初めて本作に触れるいい機会だとも言える。

 こうして、最新の上映環境に適応する一方、40年以上の時を経た物語は、公開当時を知るファンも、自身が年齢を重ねたことでより深く味わえるようになったはずだ。

 例えば、旅の途中で鉄郎が出会う人々の中には、夢見ていた機械の体を手に入れながらも、必ずしも幸せとは言えない人生を送る者が少なくない。

 生身の人間だった頃の自分への未練を断ち切れず、自分を含む生身の体を捨てた人間たちの“抜け殻”を見守りながら一人寂しく生きるシャドー(声:藤田淑子)。愛する機械伯爵(声:柴田秀勝)の求めに応じて体に改造を重ねた結果、自分自身を失い、“時間の魔女”となってしまったリューズ(声:小原乃梨子)…。

 公開当時、鉄郎に自分を重ねた少年少女もすでに一人前の大人。今となっては鉄郎への憧れだけでなく、これまで積み重ねてきた自分の人生を振り返り、シャドーやリューズの後悔と悲しみに共感を覚える人もいるに違いない。

 また、999号の食堂車で働く美しいガラスの体を持つ少女クレア(声:麻上洋子)は、親の見栄でガラスに変えられてしまった体を生身に戻したいと願っている。このクレアを見ていると、世の中には彼女の親のような大人もいるのではないかと思えてくる。

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