top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

シンガポールと陸前高田市から学ぶ、国境を超えた固い絆づくり

パラサポWEB

私達に多くの感動を与えてくれた東京2020大会では、参加国の選手たちとの交流などを地方自治体が担う「ホストタウン」という試みが導入された。残念ながら新型コロナウイルスの影響で、ほとんどのホストタウンが事前合宿の受け入れや、対象国との交流イベントを断念せざるを得なかった。しかし、そんな状況の中でも工夫を凝らし、大会終了後もその絆を深めている自治体がある。先日もシンガポールのホストタウンとなった陸前高田市で、あるイベントが行われた。その様子を同市の地域振興部観光交流課定住交流係の村上聡さんに伺った。

なぜシンガポールが? 東日本大震災を契機に繋がった国と町

東日本大震災後、シンガポールや赤十字社などの協力を得て建設された「陸前高田市コミュニティホール」

陸前高田市はホストタウンになる前からシンガポールと交流があった。そのきっかけは2011年の東日本大震災だった。

「陸前高田市は市街地の全てが津波で流されてしまったため、震災後、市民や住民の方々がコミュニティ活動を行うときに集まる場所がありませんでした。そのことを震災の支援を申し出てくれていたシンガポール政府に話したところ、費用の一部を負担してくださったんです」

建設費用14億円のうち、半分の7億円をシンガポール政府と赤十字社が設立した基金が寄付。そうして出来上がったのが、「陸前高田市コミュニティホール」だ。その他にも、「夢アリーナたかた」という体育施設や市立図書館建設といったハード面、さらには大学に進学する高校生のための奨学金制度創設のサポートといったソフト面でも同国は手厚い支援をしてくれたという。
町が徐々に復興していった後も、シンガポールで開催されたワールドシティサミットというイベントに陸前高田市の戸羽太市長がゲストスピーカーとして登壇。同行した市の職員が現地の観光関係の人達に同市の魅力をアピールした。一方、陸前高田市ではシンガポールの魅力を伝えるフェアを開催するなどして交流を続けてきた。

「そのおかげで2016年以降はシンガポールからのツアー客が増えて、民泊を体験していただくなど民間レベルでの交流も続けてきたんです。ですから、ホストタウンの話を聞いたときはぜひシンガポールの選手団を受け入れたいということで申請をしました」(村上さん)

シンガポール政府公認のマーライオン像が、陸前高田市に!

シンガポールの公認を受けたマーライオン像は日本国内に6体しかない。写真の陸前高田市に建設されたのは5番目に認定された像。

広告の後にも続きます

残念ながらコロナ禍の影響で、ホストタウンとして予定していたシンガポールの選手団を招いての市民交流などのイベントは開催することができなかった。しかし一方で、あるプランが企画されていた。

「シンガポールの皆さんにこれまでの感謝の意を示すため、そして交流をこれからも続けていきましょうという思いを伝えるために、シンガポールの象徴であるマーライオン像を、交流の拠点であるコミュニティホールの前に建てようという話になったんです。どうせ建てるならしっかり公認をもらいたいということで、2019年にシンガポール政府観光局に申請して無事に公認をいただきました」(村上さん)

そして、2021年12月4日にその除幕式とさらに親交を深めるためのイベント「シンガポールフェア」が開催された。このイベントには同市の市長や議長の他、在京シンガポール大使館のピーター・タン大使などが出席。台座を含めると高さ2.7メートルもあるマーライオン像の除幕式が行われた。

「このマーライオン像は日本で一番親しまれているシンガポールのマーライオン公園の像をモデルにしていて、自画自賛になりますが、とても出来がいいんです。大使もとても感動されていました」(村上さん)

市民からの評判もとても良く、除幕式は終始温かい雰囲気に包まれていたという。

市民を交えてのオンライン文化交流が大好評!

オンラインでトークセッションに参加したシンガポールのパラリンピアンたち。乗馬のマクシミリアン・タン氏(写真右上)、水泳のソフィー・スーン氏(写真左下)、乗馬のジェマ ローズ ジェン・フー氏(写真右下)

除幕式のあとはコミュニティホールの中にあるその名もシンガポールホールに移動して、「シンガポールフェアin陸前高田」を開催。陸前高田市とシンガポールをオンラインで結び、シンガポールのパラリンピアンたちと「未来に向けて」というテーマのトークセッションを行うなどした。

祭りの映像をバックに「けんか七夕太鼓」を披露する気仙町けんか七夕保存会の皆さん
  • 1
  • 2

TOPICS

ランキング(スポーツ)

ジャンル