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【小説】金融詐欺の容疑者となった俺…刑事がマンションに!

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、KAZUSHI氏の書籍『いたずらな運命・置き去り【文庫改訂版】』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

いたずらな運命~信頼とエゴの狭間で~

柔らかな春の日差しが一転した。

ついに金融詐欺の容疑者として、警察が俺を突き止めたのだ。俺に聞きたいことがある、任意で話を聞きたい、と言って刑事が俺のマンションに来た。

俺はうまくかわしたい、と思い、なぜ刑事が来たのか、困惑して見せた。

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だが、証拠がある、と言われた。

証拠は俺の指紋だと言うのだ。あの金融商品を売りつけるために訪ねた家の中に、俺の指紋がいくつもあったらしい。

しかし、なぜ俺の指紋とわかったのか? 俺には、前科はなかった。俺の指紋を誰が持っていたというのだ。会社の連中が誰かつかまったのか? だが、俺のことはあの担当者しか知らない。事務所に使っていたビルとパンフレットに記載されていた住所は違っていたから、事務所も知らないはずだ。どこから俺の指紋を手に入れたのか?

指紋が本当に俺のものだとどうして確認できるのだと反論したが、刑事は通報者が持っていたとは言ったが、名前は言わなかった。俺は、警察で事情聴取を受けることになった。

映画が成功したことで、俺にテレビや雑誌の取材があり、その結果、顔が知られるようになったのだろう。ヒゲをはやしたり、髪形も変え、気をつけていたつもりだが、結局は、

『面が割れたということか』と、俺は思った。つまり、通報者はテレビなどで見た顔が、あのときの営業マンだと気づいたのだ。

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