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『テレビで会えない芸人』/1月14日(金)より全国順次公開〜やくみつる☆シネマ小言主義

週刊実話WEB

Ⓒ2021 鹿児島テレビ放送

『テレビで会えない芸人』

出演/松元ヒロ
監督/四元良隆、牧祐樹
製作/鹿児島テレビ放送
配給/東風

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かつて社会風刺コント集団『ザ・ニュースペーパー』の一員として、日々のニュースを笑いに変えてテレビで大活躍していた芸人・松元ヒロの「今」を追ったドキュメンタリー。

忖度なしで政治ネタを連発する芸風は、いつしか「テレビでは放送できない」ものとなって活躍の場を舞台に移したところ、「これを放送できないなんて、テレビの方がおかしい」と、松元さんの故郷である鹿児島テレビのプロデューサーが現状を自問自答しながら撮影した作品のようです。

ただ今回に限っては、自分はイチ映画鑑賞者のスタンスで実話読者に感想を申し上げることは叶いません。というのも時事ネタを扱うという点で、自分と〝同業者〟に感じるからです。

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そもそも、彼を「芸人」とくくるのは無理があるんじゃないか。ただ面白おかしく演じる漫才やコントとは明らかに違いますから。

かくいう自分も「漫画家」枠でくくられるのには違和感がありまして。松元ヒロが「テレビで会えない芸人」なら、自分は「漫画誌で会えない漫画家」。むしろ爆笑問題やナイツ、泉麻人氏などのコラムニストの方が同業という意識があります。松元ヒロとも「職域」が共通しているように思え、その立場や心情が分かりすぎるほど分かってしまうのです。

『週刊実話』で対談してみたい

1つだけ衝撃的だったのは「政治家をネタにはするが、人間性の否定はしたくない」と語っていたこと。自分なら「どう生きてきたら、こんな人間ができるんだよ」と怒りを覚えて1コマ漫画で描く場合、全人格を否定してかかります。政治家のやってることと人格は不可分です。心底憎んでクソミソにおちょくってこそ、読者や観客の溜飲も下がるというものでは。松元さんだって本音はそうじゃないのかな。なんで肝心なとこをオブラートで包んで語ったのかを直接お伺いしたい。実話誌面で対談とか企画してもらえませんかね。

ところで、忖度だらけのテレビは終わっただの、テレビに出ているお笑い芸人は骨抜きだのと言われて久しいですが、自分はテレビがつまらなくなったとは全く思いません。アラ探しをしてはSNSを通して批判する快感を一部のクレーマーが覚えたために、確かに何でもありの時代ではなくなりました。でも、今のお笑い芸人は自分でネタを作る人が多い。制約があるからこそ新たな発想でひねり出した笑いは、昔に比べてずっと本格化しています。

YouTubeなど発表の場が増えたことで切磋琢磨が加速し、その上澄みにいるとんでもない才能が今のテレビを主戦場としているように思っています。

やくみつる
漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。

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