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脱炭素経営のためには、「エネルギーの見える化」が必要である

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、筒見憲三氏の書籍『データドリブン脱炭素経営 エネルギー効率の指標化によるグリーン成長戦略』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

デジタル化が新たな省エネルギーの手段になる

省エネルギー・エネルギー効率化を効率的・効果的に進める上で課題となるのは、一見当たり前のことですがエネルギーという代物が目に見えないということです。

見えないが故に、それを削減し効率的に利用しようと設定値の変更や投資による機器更新など、何かの方策を実行しても、その効果・結果がはっきりと分からないのです。結果が分からないことを実行しようとすると、企業であればその実行の許可をどう取っていくかという点が大変悩ましく、ついつい現場の日常業務の忙しさにかまけて何も行動を起こさないとなってしまいます。

まず、「見える化」するべしというのは、省エネルギー・エネルギー効率化を進める上での大前提とすべきところですが、この「見える化」にも一定の投資が必要となり、その投資も費用対効果が明確でなければ、なかなか実施稟議が下りないものです。

今後、企業が脱炭素化を本格的に進めるのであれば、まずはこのエネルギー関連のデータ把握による見える化が前提になりますので、そのための投資は単なる費用対効果を超えたレベルでの意思決定が必要になります。

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もちろん、見える化に投資することによって、さまざまなムダ・ムラ・ムリと言われる「3M」が分かり、それらを改善すればエネルギーコストの削減にもつながりますので、決して回収できない投資ではありませんが、投資を決定する時点で、どの程度の削減が可能であるかの試算が難しいので、そのあたりで話が頓挫することが多いことになります。

筆者として、今後、脱炭素経営に舵を切ろうとしている経営者は、現場レベルから始め、会社全体、あるいはグループ全体のデジタル化を推進するのであれば、このデジタル化投資の一環として、エネルギーの見える化も組み込むことを強く推奨したい。

効率的な投資決定というのは、常に「一粒で二度、三度美味しい」という発想が大切ですが、今後、企業として避けて通れない業務のデジタル化において、エネルギーデータの取得から見える化についての効果も必ず含めるようにすべきと考えます。

昨今のIoT(あらゆるものがインターネットにつながること)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の議論の中で、エネルギー関連データのデジタル化の話題が抜け落ちていることが散見されますが、筆者としてはIT関連技術者とエネルギー関連技術者間に今まではあまり接点がなかったことが原因ではないかと推察しております。

IT専門家にとってエネルギー分野は、専門外でありよく分からない、一方、エネルギー技術者にとってIT分野は専門的で難しいという技術者間の目に見えない縦割り構造が存在しているようにも感じております。

確かに、両方の技術に明るい技術者は、少なくともわが国にはほとんどいないと言っても過言ではないでしょう。したがって、黙って現場に任せておいたのでは、なかなかエネルギー部門のデジタル化が進まず、より詳細なデータ類を簡易に活用できるような環境を作ることができず、結果として効率的で効果的な省エネルギー・エネルギー効率化、ひいては脱炭素化が進まないということになるのです。

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