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渋谷龍太 「幼い子にはあえて触れさせない禁忌に、たぶん僕は惹かれていた」

ダ・ヴィンチNEWS

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、渋谷龍太さん。

「ホラー映画の中で暮らしているようなもの」吉本ばななさん×SUPER BEAVER 渋谷龍太さん対談

(取材・文=河村道子 写真=干川 修)

宮本輝、浅田次郎、花村萬月。敬愛し続ける作家たちの作品からは「一冊なんて選べない」と悩んだ渋谷さんがシンプルに“好き”を突き詰め、選んだのは生まれて初めて貰った本。

「自分のルーツと言ったらこれだなと思って。小学校に上がる前、かあちゃんに貰ってから、ずーっと見ていました。僕は『ウォーリーをさがせ!』が好きなのですが、それもこの本がきっかけだったんじゃないかな」

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本書には、海賊船と出遭ってしまったり、気球が屋根に引っ掛かったり、というトラブルのなか、右往左往する人々が緻密に描きこまれている。香り立つのは作者ならではのシニカルさとユーモア。

「そこには幼い頃にはあえて触れさせないような残酷さも描かれていて。火が付いていたり、鼻が切れていたり、死んでる?と思う人もいたり。当時はそんなこと考えて読んでいたわけではないけど、大人になった今、そうした禁忌な部分にどこか惹かれていたんじゃないのかなと思います」

自身のバンドストーリーを描いた『都会のラクダ』では、現時点から当時を振り返る視点は一切排除した。そのとき起こっていたことを、そのときの気持ちのみで書くことで

SUPER BEAVER、紆余曲折の約17年の歴史を小説として成立させた。

「ドキュメンタリーとして書くと、僕らのバンドに興味がなければ届かない。でも小説という形ならとりあえず読んでくれるかなと思ったんです。“とりあえず”というのが、僕のなかではすごく大事なことでした」

「自分のなかに貯めていたものをずっとかき回すなか、無作為にぽんと出てきた」というリアルで独特な言葉と「当事者だし、当事者じゃない」という感覚で描いたというメンバー4人をはじめとするキャラクターたちが動く物語は、いつしか登場人物と共に悩み、共に喜ぶという実体ある感覚を読む人につくりだす。

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