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死の間際、人間の脳内では「脳津波」が広がっていることが判明

カラパイア


 人はいつか必ず死ぬ。この避けることができない運命を迎えるとき、私たちの頭の中では何が起きているのだろう?

 2018年の研究で、蘇生が停止された患者の脳が死にゆく瞬間を観察した。すると、酸素が不足した脳内では「脳津波(Brain Tsunamis)」と呼ばれる電気化学エネルギーの波が観測された。

 それは画期的な発見であり、脳で進行する死のプロセスを逆転できる可能性があるという。

死にゆく人間の頭の中で広がる「脳津波」

 蘇生が諦められ、抜管された患者の脳から判明したのは、20~40秒ほど酸素が不足すると、脳は”省エネモード”に切り替わるということだ。

 こうなると電気的な活動がなくなり、「ニューロン(神経細胞)」同士のコミュニケーションが途絶える。

 それから数分後、脳は壊れ始め、電気化学エネルギーの波、「脳津波(拡散脱分極)」と呼ばれる現象が広がる。

 脳津波は大脳皮質をはじめとする脳全体に広がり、ついに脳は回復不能なダメージを受ける。

Photo by Adrien Converse on Unsplash

脳津波を食い止められる可能性

 だがドイツ、ベルリン大学の神経学者イェンス・ドライア氏は、この脳津波を食い止められる可能性があると当時の声明で説明している。
循環停止に続いて起きる拡散脱分極によって、脳細胞に蓄えられている電気化学エネルギーが失われ、最終的に脳を死にいたらしめる有害プロセスが始まります

重要なのは、循環が回復すれば、ある時点までは元に戻せるということです
 ドライア氏らは、神経モニタリング技術を用いて、ひどい脳の損傷を受けた9名の患者で起きた脳死のプロセスを観察している。

 蘇生が諦められ、すでに抜管された患者の観察からは、拡散脱分極は一方向に広がる波ではないことがわかった。循環と酸素の供給が回復しさえすれば、また元に戻るのだ。

 これについて論文では次のように述べられている。
無酸素状態で起こる拡散脱分極は、臨界点(持続的な脱分極によってニューロンが死に始める時点)の前に酸化基質を供給してやれば、完全に可逆的で、細胞損傷の兆候が残ることもない


Photo by Daniel Oberg on Unsplash

将来的には脳障害を負うリスクのある患者を救うことに

 ドライア氏によると、この研究で判明したことは、今の段階では直接治療に役立てられるようなものではないが、それでも、脳の循環が滞ってしまった状況においてニューロンの生存を確保する治療戦略の基礎になるだろうと期待できるという。

 将来的には、この発見が、脳虚血などによって脳に障害を負うリスクのある患者を救うことになるかもしれないそうだ。

 この研究は『Annals of Neurology』に掲載された。
References:Mysterious ‘Brain Tsunamis’ Occuring Moments Before Death Observed in Humans | Nature World News / written by hiroching / edited by parumo

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